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バンコクでタイ語を学ぶ

タイ語の学び方は、大学の課程、認可を受けた語学学校、個人レッスン、独学に分かれます。授業の時間数と受講料、学校が認可を受けているかの確かめ方、留学(ED)ビザの必要書類と滞在できる期間、無料で使える公式の辞書までを、公式情報だけで整理しました。

この記事の要点

  • タイ語の学校を選ぶ前に確かめるのは、認可の有無です。学び方は大学の課程・認可を受けた語学学校・個人レッスン・独学の4つですが、留学(ED)ビザの書類を出せるのは認可を受けた学校だけです。
  • 時間と費用の目安になるのが大学の集中コースです。チュラーロンコーン大学は1コース100時間・対面で29,500バーツ、初級から上級まで9コースで900時間。ただし1つの大学の総量で、要る時間は人によって動きます。
  • 認可を受けているかは、私立教育振興委員会事務局の認可校の検索と、教育省のオープンデータで確かめられます。どちらもタイ語なので、学校のタイ語の正式名称を控えておかないと当たりません。
  • 留学(ED)ビザは入国後3か月・1回入国で、申請料は11,000円、支払い後の返金はできません。財務証明は残高30,000バーツ以上の銀行取引明細です。入国後に延長する条件は公式の記載を確認できていません。
  • 独学の道具は無料で公開されています。タイ王立学士院事務局のタイ語辞書と外来語表記のデータベース、チュラーロンコーン大学の研究所が出しているタイ文字の教材が、通うかどうかに関係なく使えます。

バンコクでタイ語を習おうと調べ始めると、学校の名前はいくらでも出てくるのに、判断の土台になる部分がなかなか出てきません。何時間くらい積めば読み書きまで届くのか。その学校は役所の認可を受けているのか。学生ビザで滞在するなら何が要るのか。このページは、タイの官庁と大学が自分で公開している情報だけを使って、その土台のほうを並べたものです。どの学校が良いかという評価は扱いません。

学び方は大きく4つに分かれる

  • 大学が持つ外国人向けの課程 — 段階と時間数が決まっていて、受講料も公表されています。教材と進度が固定されているぶん、自分がどこまで来たかが分かりやすい形です。
  • 認可を受けた語学学校 — タイの私立学校は教育省の所管で、語学学校は「正規の課程によらない学校(โรงเรียนนอกระบบ)」という区分に入ります。留学(ED)ビザで滞在する場合、書類を出せるのはこの区分の学校です。
  • 個人レッスン — 時間も内容も融通が利きます。ただし在留資格の裏づけにはなりません。
  • 独学 — タイの官庁と大学が、辞書もタイ文字の教材も無料で公開しています。置き場所は後半にまとめました。

目的が「話して用が足りる」なのか「契約書や役所の書類を自分で読む」なのかで、選ぶ道は変わります。読み書きまで要るなら、聞く・話すとは別に文字の課程を積む必要があります。大学の課程が読み書きを別立てのコースにしているのは、そのためです。

大学の課程はどう組まれているか

チュラーロンコーン大学の文学部には、外国人向けにタイ語を教える「タイ語外国語センター(Center for Thai as a Foreign Language、CTFL)」があります。ここが出している集中コース(Intensive Thai Program)は、公式サイトに段階も時間数も受講料も書かれているので、時間と費用の物差しとして使えます。

項目公式サイトの記載
段階全9コース。初級(1〜3)・中級(4〜6)・上級(7〜9)の3段階
1コースの長さ6週間
授業月曜から金曜、1日3時間
1コースの時間数100時間(授業90時間+言語文化研修10時間)
受講料(対面)1コース29,500バーツ
受講料(オンライン・電子教材)1コース23,000バーツ
受講料(オンライン・紙教材)1コース23,500バーツ

同じセンターには、聞く・話すに絞った初級者向けの課程が3段階、読み書きの課程が3段階、上級者向けの学術タイ語が3モジュール、それに個人・少人数向けの課程もあると大学の公式ページは説明しています。課程の設計はCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に合わせているとも書かれています。

紛らわしいのですが、同じ大学にある「シリントーン・タイ語研究所」は外国人にタイ語を教える機関ではありません。大学の公式ページは、この研究所が担うのはタイ語教員の養成と試験であって、外国人向けのタイ語教育は行っていないと明記しています。名前で検索して迷い込みやすい場所なので、覚えておくと無駄足が減ります。

どのくらいの時間とお金がかかるのか

上の数字をそのまま積むと、初級から上級まで9コースで900時間です。受講料は対面なら29,500バーツ×9で265,500バーツ、オンライン(電子教材)なら23,000バーツ×9で207,000バーツになります。これは公式に出ている1コースあたりの数字を単純に9倍した計算です。

注意したいのは、この900時間が「誰でもこれだけやれば上級になる」という基準ではないことです。あくまで1つの大学が組んだカリキュラムの総量であって、必要な時間は人によって動きます。それでも、桁を外さない目安としては使えます。「3か月で日常会話」と「上級まで900時間」は、そもそも見ている距離が違う、ということが分かるからです。

その学校が認可を受けているかを確かめる

タイの私立学校を所管しているのは、教育省の下にある私立教育振興委員会事務局(สำนักงานคณะกรรมการส่งเสริมการศึกษาเอกชน、略称 สช.)です。同事務局の公式サイトによると、教育省事務次官府に属する機関で、権限の根拠は私立学校法(仏暦2550年)だと説明されています。正規の課程による学校と、語学学校を含む正規の課程によらない学校の両方を所管しています。

確かめる先は2つあります。

  • 認可校の検索 — 同事務局は「ตรวจสอบโรงเรียนที่ได้รับอนุญาต(認可を受けた学校の確認)」という名前の検索システムを公開しています。
  • 教育省のオープンデータ — 教育省のデータカタログに「ข้อมูลใบอนุญาตโรงเรียนเอกชน(私立学校の認可情報)」というデータセットが置かれています。公開元は同じ สช. で、正規の課程による学校ぶんと、正規の課程によらない学校ぶんが、それぞれCSVで配られています。更新は年単位、地理の粒度は郡(อำเภอ)とカタログに記載されています。

どちらもタイ語で運用されているので、引く前に学校のタイ語の正式名称を控えておくのが実務です。英語の屋号やブランド名では当たりません。パンフレットや領収書、入学案内のタイ語表記を控えておくと、そのまま照合できます。

留学(ED)ビザで滞在するとき

語学の短期コースを受けるために滞在するなら、ノンイミグラント(ED)の留学/研修ビザが該当します。在大阪タイ王国総領事館が公開している申請要項には、次のように書かれています。

項目申請要項の記載
入国後に滞在できる期間3か月
入国の回数シングル(1回)
ビザの有効期限発行日から3か月
申請料11,000円
支払い方法e-Visa公式サイト上でクレジットカード(VisaまたはMaster Card)決済のみ

同じ要項に、支払い完了後はいかなる場合でも返金できないと書かれています。在東京タイ王国大使館の案内も、申請料の支払い後は内容を修正できず、申請後の返金は一切できないので、申請時の情報はすべて正確に入力するように、と念を押しています。申請はタイ外務省のe-Visa公式サイトから行う形です。

どの目的でも共通で要る書類

  1. パスポートまたは渡航書面のバイオデータページ
  2. 過去6か月以内に撮影した写真
  3. 現在の滞在場所を示す書類 — 日本国籍の人はマイナンバーカードもしくは運転免許証、日本国籍以外の人は在留カードの写し(有効期限が3か月以上あるもの)。あわせて航空チケットを同じファイルにまとめる
  4. 学費および生活費を賄う財務証明 — 過去3か月分の銀行取引明細書で、残高が30,000バーツ以上であることを示すもの。申請者名義でも保護者名義でも可

アップロードの形式まで決まっています。1と2はJPEG、3以降はPDF、各ファイルは3MB以下と要項に書かれています。

語学コースで申請するときに追加で要る書類

  • タイの教育省またはタイスポーツ庁等の関連機関からのレター
  • 学校から発行された入学許可書や招へい状等(担当者の署名と身分証明書の写し付き)

ここが、ひとつ前の節とつながります。役所からのレターが要るということは、役所に把握されていない学校では書類が揃わない、ということです。学校選びの前に認可の有無を見ておくと、あとで手戻りになりません。

なお、上の要項が示しているのは入国するところまでの話です。入国後に滞在を延ばす手続きは入国管理局の扱いになり、その条件について公式の記載を2026-08-31時点で確認できていません。長く通う予定なら、延長の可否と必要書類を入国管理局か在籍予定の学校に直接確かめてください。

力がどれだけ付いたかを測る

外国語としてのタイ語の力を測る試験にCU-TFL(チュラーロンコーン大学のタイ語運用能力試験)があります。大学の公式ページによると、聞く・話す・読む・書くの4技能を測り、技能ごとに単独でも、まとめてでも受けられます。判定はどの技能も5段階で、Novice、Intermediate、Advanced、Superior、Distinguished の順です。

技能試験時間
聞く1時間
読む1時間
書く1時間
話す約45分

実施は年5回と公式ページに記載があります。技能ごとに分かれているので、「話せるけれど読めない」「読めるけれど書けない」といった自分の偏りが、そのまま数字に出ます。学習を始めた時点で一度受けておくと、あとで伸びを測る基準ができます。

お金をかけずに使える公式の道具

タイの官庁と大学が、無料で使える道具を公開しています。学校に通うかどうかに関係なく、手元に置いておくと効きます。

  • タイ文字の教材 — チュラーロンコーン大学のシリントーン・タイ語研究所が学習資料のサイトを持っており、タイ文字を読むための対話型の教材、マルチメディアのフラッシュカード、初学者向けの電子教材が置かれています。
  • 公式の辞書 — タイ王立学士院事務局が「พจนานุกรม ฉบับราชบัณฑิตยสถาน พ.ศ. ๒๕๕๔」をウェブで公開しています。無料で検索でき、会員登録は任意です。タイ語で引いてタイ語で読む辞書なので、ある程度読めるようになってから効いてきます。
  • 外来語のタイ語表記 — 同事務局は「ระบบฐานข้อมูลคำทับศัพท์(外来語表記のデータベース)」も公開しています。英語由来の語をタイ語でどう書くかは、公式の表記が決まっているものがあります。
  • 専門用語 — 同事務局のサイトには、用語データベースやタイ手話辞典、地名集も並んでいます。仕事で使う語を調べるときの一次の当たり先になります。

タイ語で書いたページを検索はどう扱うか

タイ語を学ぶ理由が仕事だと、いずれ自分たちのサイトにタイ語のページを置く話になります。そのとき検索側が何を見ているかは、Googleが検索セントラルで公開しています。ここは推測が出回りやすい領域なので、公式の記載だけを引きます。

  • 言語の判定は本文で行われる。 Googleは「lang属性のようなコード上の言語情報やURLは使わない」「ページの可視コンテンツを使ってその言語を判定する」と明記しています。タグを足せばタイ語だと認識される、という話ではありません。
  • 言語ごとにURLを分ける。 Cookieやブラウザの設定で同じURLの中身を切り替える作りは、クローラが全ての版を見つけられないおそれがあるとして避けるよう書かれています。
  • 自動で別の言語版へ飛ばさない。 「ある言語版から別の言語版へ利用者を自動的にリダイレクトすることは避けてください」とあります。利用者にも検索にも、全ての版へ辿り着けなくなるためです。
  • 言語を選べるリンクを置く。 利用者が自分で版を選べるようにすることが推奨されています。
  • 定型部分だけの翻訳は避ける。 メニューなどの定型だけ訳して中身を1つの言語のままにすると、同じ内容が言語違いで検索結果に何度も並び、体験が悪くなると説明されています。

複数の言語版を持つことを検索側に伝える仕組みが hreflang です。指定の方法はHTMLの link 要素、HTTPヘッダー、XMLサイトマップの3通りがあり、どれを使ってもよいとされています。ルールとして押さえるのは次の3点です。

  1. 各言語版が自分自身と他の全ての言語版を挙げること。
  2. URLは完全修飾(http/httpsから始まる形)で書くこと。
  3. 相互に指し合っていないと無視されること。2つのページが互いを指していなければ、指定そのものが効きません。

言語コードはISO 639-1、地域を足す場合はISO 3166-1 alpha-2を組み合わせる形です。どの言語・地域にも当てはまらない利用者の受け皿には x-default という予約値が用意されていて、言語を選ばせるページに向けるのが想定された使い方だと説明されています。

始める前に決めておくこと

  • 目的 — 話して用を足すのか、読み書きまで要るのか。読み書きまでなら、文字の課程を別に積むつもりで予定を組みます。
  • 通うかオンラインか — 大学の集中コースのように、同じ内容で対面とオンラインの両方があり、受講料が違う場合があります。
  • ビザが要るか — 学生ビザで滞在するなら、学校が役所の認可を受けていることが前提になります。学校を決める前に確かめます。
  • いつ測るか — 始めた時点で一度受けておくと、あとで伸びが分かります。

子どもの学びをどうするかは、また別の話です。バンコクの日本人向けの塾や習い事はバンコクの学習塾を比べるで扱っています。暮らしの側の手続きは、タイでメイドを雇うときの決まりと給料タイでコンドミニアムを買うときの決まりとお金のように、タイ語の書類と向き合う場面が続きます。そもそもどこに住むかから考えているなら、移住する国をどう選ぶかから読むと順番が整います。

このページに載せた金額・時間数・書類は、いずれも大学と役所が公式に出しているものです。制度も料金も変わるので、申し込みや申請の前には、必ず各機関の公式サイトで最新の記載を確認してください。

出典

このページの内容は 2026-08-31 に確認しました。料金・制度・営業情報は変わることがあります。