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タイの永住権は誰が取れて、いくらかかるか

タイの永住権は受け入れ枠が1つの国につき年100人、申し込めるのは年に一度の数週間だけです。入口になる3年の滞在、投資・就労・家族それぞれの金額の条件、手数料、審査の期間、取れたあとに変わることを公式の法令と告示だけで整理しました。

この記事の要点

  • 条件をすべて満たしても、委員会または内務大臣の判断で不許可にできます。その理由を開示させることはできません。枠は入国管理法40条で1つの国につき年100人と決まっています。
  • 申し込むには、非移民ビザで年単位の滞在許可を受けてきた期間が3年以上必要です。観光やノービザの滞在は数えません。タイ語を話し、聞いて理解できることも審査の項目です。
  • 手数料は、申し込みが1人7,600バーツ、許可が出たあとに受け取る永住証明書が1通191,400バーツです。申し込みの手数料は、許可されてもされなくても返ってきません。
  • 入国管理局が公表している工程の日数を足すと、審査委員会にかかるまでで300日です。その先の審議にどれだけかかるかは年によって決まっていない、と入国管理局が書いています。
  • 永住証明書そのものに期限はありませんが、国外へ出ると使えなくなります。出国の前に裏書きをもらえば1年のあいだ何度でも出入りできるので、毎年の更新が別の管理に置き換わります。

タイに長く住んでいると、毎年の滞在許可の更新から解放されたい、という話がかならず出てきます。その答えのひとつがタイの永住権です。ただし、日本で想像する「永住権」とはかなり形が違います。受け入れの枠が法律で1つの国につき年100人と決まっていて、申し込める期間は年に一度、数週間しかありません。この記事は、誰が申し込めて、いくらかかって、取れると何が変わるのかを、タイの法令と入国管理局が出している公式の書類だけで整理したものです。個別の事業者を選ばせることはしません。

タイの永住権とは何を指すのか

タイでいう永住権は、入国管理局が出す永住証明書(ใบสำคัญถิ่นที่อยู่)を持っている状態のことです。国籍ではありません。根拠は入国管理法 仏暦2522年(1979年)で、同法41条は「外国人は、入国審査委員会の許可と大臣の同意を得て、40条で大臣が公示した人数の枠内に入り、47条の永住証明書を受け取ったのでなければ、王国内に住所を持つことはできない」という組み立てになっています。

大事なのは48条です。永住証明書は期限なしで使えると書かれています。毎年の更新がなくなるのは、ここが理由です。ただし同じ48条に、国外へ出た時点でその証明書は使えなくなる、という但し書きがあります。この点はあとで詳しく書きます。

もうひとつ。90日ごとの住所の届け出などを定めた37条は、条文の冒頭が「一時的な滞在を許可された外国人は次のとおり行わなければならない」となっています。誰に向けた義務なのかが条文の主語で書き分けられている、ということです。

枠は1つの国につき年100人まで

入国管理法40条は、大臣が閣議の承認を得て官報に公示する形で、その年に永住を認める外国人の数を決めると定めています。上限は条文に書かれていて、1つの国につき年100人を超えてはならない、無国籍者については年50人を超えてはならない、です。ある国の植民地はまとめて、あるいは自治を持つ地域はそれぞれ、1つの国として数えます。

直近の回(仏暦2568年分)の告示も、この数字をそのまま書いています。首相府・内務省の告示が出たうえで、入国管理局が受け付けの告示を出す、という順番です。

そして43条には別の道があります。1,000万バーツ以上の外貨をタイに持ち込んで投資する外国人は、委員会の判断で40条の枠の外で永住を認められることがあります。ただし「年ごとにその数の5%を超えてはならない」と上限が付いています。また、この枠で許可された人は、委員会の定める方法で2年以上5年以内の期間、財務状況を示し続けなければならないとされています。

申し込める人の条件

入国審査委員会が仏暦2546年(2003年)12月26日付で出した「外国人の永住許可を判断するための基準と条件」という告示が、いまも生きている正本です。入国管理局の公式ページから本文のPDFが配布されています。

まず3年ぶんの滞在が要る

1.1に、こう書かれています。現在の国籍の旅券を持ち、非移民ビザ(NON-IMMIGRANT VISA)の査証を受け、年単位の滞在許可を受けてきて、申し込む日までの滞在期間が3年を下回らないこと。観光やノービザの滞在は数えません。就労ビザや配偶者ビザで毎年の更新を3回続けてきた人が、ようやくスタートラインに立つ、という設計です。

タイ語で受け答えができること

1.4は一行だけで、「外国人はタイ語を話し、聞いて理解できなければならない」とあります。これは書類上の努力目標ではありません。入国管理局の告示にある処理の工程表には「申し込んだ人のタイ語の話す・聞く能力と人物を確認する」という段階が独立して置かれ、そこに90日が割り当てられています。英語版の案内書にも、面接には話す・聞くのタイ語理解のテストが含まれる、と明記されています。

身元の確認と、入れない人の決まり

14歳以上の申し込み者は、指紋を採られて警察の犯罪記録局に照会され、本人が提出した無犯罪証明書も確認され、入国管理局の監視リストに載っていないか、国際刑事警察機構の手配がないかも調べられます。

入国管理法44条は、永住を認めてはならない人を2つ挙げています。ひとつは、タイの裁判所の判決や適法な命令、または外国の裁判所の判決で懲役刑を受けたことがある人(軽微な罪、過失による罪、省令で除外された罪は除く)。もうひとつは、身体の障害や精神の不調、または省令で定める病気のために生計を立てられない人です。ただし後者は、王国内に住所を持ち互いに扶養できる人の父母・配偶者・子には適用しない、と続きます。

どの理由で申し込むかで、必要な数字が変わる

申し込みの種類は5つです。投資、就労、人道上の理由(6つの場合に分かれます)、専門家、そして個別の特別な場合。それぞれに具体的な金額と年数が決められています。

投資で申し込むとき

  • タイに1,000万バーツ以上を持ち込んで投資し、国外からの送金の証拠を示すタイ国内の商業銀行の証明書を出すこと。
  • 投資先は次のいずれか、または組み合わせ。有限会社または公開会社への投資(政府機関が証明した書類が要り、その事業が公共の秩序・文化・善良の風俗に反しないこと)、財務省またはタイ中央銀行が保証する国債・公企業債の購入証券取引委員会が承認または証明した株式・社債・投資信託などへの投資
  • 許可を受けたあとは、3年間続けて、毎年9月中にその投資を持ち続けている証拠を委員会または担当官に出さなければなりません。委員会の側は毎年11月中に確認結果を報告します。あとから資格を欠いていることが分かれば、内務大臣に許可の取り消しを具申する、と告示に書かれています。

仕事で申し込むとき

本線と、そこに届かない人のための別線の、2本立てです。

本線(3.2.1と3.2.2)は、経営層向けです。タイで登記された法人の取締役会長または取締役の地位にあり、その法人の登録資本が1,000万バーツ以上で、法人を拘束する署名権を1年以上持っていること。加えて、申し込む日までの2年以上にわたって年間の平均で月5万バーツ以上の収入があり、正しく納税した証拠を出せること。さらに、勤め先の事業が国の経済に役立つものであることが求められ、これは次のいずれかで示します。

  • 過去3年の輸出額が年平均2,000万バーツ以上の貿易関連の会社(関係する商業銀行の証明書つき)、または国内の製造会社へ融資し過去3年で合計1億バーツ以上の外貨を持ち込んだ会社。
  • 過去3年の実績で年平均5,000人以上の旅行者を呼び込んだ観光関連の会社(観光を所管する官庁の証明書つき)。
  • その他の事業の場合、その法人に500万バーツ以上の払込済み株式を2年以上持っていること。

別線(3.2.3)は、本線の条件を満たさない人向けです。3つを全部満たす必要があります。

  1. タイの労働許可証(ワークパーミット)を3年以上続けて持っていること。
  2. いまの会社で1年以上働いていること。
  3. 年間の平均で月8万バーツ以上の収入が2年以上続いていること。または、個人所得税を10万バーツ以上納めた年が2年以上続いていること。

3つ目は「収入か、納税額か」の選択で、金額の性格がまったく違います。タイ語の原文は「มีการเสียภาษีเงินได้บุคคลธรรมดา ตั้งแต่ 100,000 บาทขึ้นไป」、つまり納めた税額が10万バーツ以上です。英語版の案内では表現がぶれているので、原文で確かめてください。

タイ人の配偶者・親子で申し込むとき

人道上の理由は、タイ国籍の配偶者・親・子との関係、または既に永住権を持つ人との関係で、6つの場合に分かれています。よく当てはまるのは配偶者の場合です。扶養する側が働いているかどうかで条件が変わります。

  • 扶養する側がタイで働いている場合 — 法律上の夫婦で、婚姻の登録から2年以上経っていて、二人のあいだに実子がいること。不妊なら病院の診断書を出す。診断書が無いなら婚姻の登録から5年以上。そのうえで、夫婦のどちらか、または合算で、年間の平均月3万バーツ以上の収入が2年以上続いていて、納税の証拠があること。
  • 扶養する側が高齢の場合 — 申し込む人が申し込む日までに50歳以上で、婚姻の登録から2年以上経っていて、扶養する側に年間の平均月6万5,000バーツ以上の収入が2年以上続いていること。

親子の場合は、扶養する側に年間の平均月3万バーツ以上の収入が2年以上、というのが共通の線です。子が20歳以上のときは、学士以下の課程に20歳前から続けて在学しているといった事情の説明が要ります。すでに永住権を持つ外国人の家族として申し込む場合は、その扶養者が投資または就労で申し込む人と同じ条件を満たしていること、が加わります。

専門家として申し込むとき、特別な場合

専門家(3.4)は、学士以上の知識があり、国が必要としていて役に立つ特別な能力を持っていること。関係する官庁の支援と証明書があること。その職務に3年以上就いてきたことの証明書があること、の3つです。

特別な場合(3.5)は、タイまたはタイ政府に貢献した人、国内の著名な機関から選ばれた人などで、局レベル以上の官庁、県知事、10級以上の文官、大将級の軍人・警察官、大臣・国会議長・上院議長といった政治職、または憲法上の独立機関の委員による証明書が要る、という枠です。

いくらかかるか

手数料は法令で決まっています。入国管理法にもとづく省令 第27号(仏暦2546年)が官報(第120巻59号ก・仏暦2546年6月27日)に載っていて、そこの料率表が正本です。入国管理局が公式ページからこの省令のPDFを配っています。

何に払うか金額
永住の申し込み(45条)1人 7,600バーツ
永住証明書(47条)1通 191,400バーツ
永住証明書(47条・タイ人または永住者の配偶者、未成年の子の場合)1通 95,700バーツ
永住証明書(51条・いったん失効したものを取り直す場合)1通 95,700バーツ
出国して戻るための裏書き(50条(1))1人 1,900バーツ
枠外移民の査証(1回限り)1,900バーツ
枠外移民の査証(1年間なんども)3,800バーツ

入国管理局の告示は、申し込みの手数料について「許可されてもされなくても返さない」とわざわざ書いています。つまり、条件に届いていないまま出すと7,600バーツがそのまま消えます。同じ金額はサムットプラーカーン県入国管理局の手数料一覧にも出ています。

金額の桁で見ると、いちばん大きいのは許可が出たあとに払う永住証明書の191,400バーツです。申し込みの手数料の25倍を超えます。ここを用意できるかどうかを、申し込む前に見ておいてください。なおロッブリー県入国管理局の説明には「手数料の率は法律により変わることがあり、変わった場合は新しい法律が定める額を納めることになる」という注記が付いています。

いつ、どこに出すのか

受け付けは通年ではありません。ロッブリー県入国管理局の説明によると、内務省が「その年に永住を認める外国人の数」の告示を出して官報に載せたあとで、はじめて入国管理局が受け付けの告示を出せる、という順番です。

直近の回(仏暦2568年分の枠)では、首相府・内務省の告示が仏暦2569年2月26日付で出て、受け付けは仏暦2569年3月9日から4月3日まで(西暦2026年3月9日から4月3日まで)の、役所の開いている日と時間に限られました。4週間弱しかありません。毎年この時期とは限らないので、入国管理局の公式ページを見ておくのが確実です。

出す場所は次のとおりです。

  • バンコク — 入国管理局 第1部 第1課(永住申請の担当)。政府合同庁舎(ศูนย์ราชการเฉลิมพระเกียรติ)のラッタプラサーサナパクディー館(B棟)2階の南側、チェーンワッタナー通り7、トゥンソンホン、ラクシー区、120番地。英語版の案内では窓口Dと書かれ、電話は0 2141 7867、0 2141 9899です。
  • 地方 — 自分が住んでいる地域の入国管理事務所。その地域に事務所が無ければ、いちばん近い事務所。

申し込みは本人が行くことが条件です。省令が定める様式(ตม.9)に規定どおりの写真を貼り、持っている旅券の原本をすべて窓口に見せます。代理人に任せられる手続きではありません。

出してから結果が出るまで

入国管理局の告示は、処理にかかる期間を段階ごとに数字で示しています。

段階期間
申し込みの受け付け、書類の確認、手数料の納付、指紋の採取受け付け期間中
関係機関への照会と回答待ち、本人と関係者からの聞き取り90日
タイ語の話す・聞く力と人物の確認90日
書類をまとめて入国審査委員会にかける120日

足すと300日です。しかもこれは委員会が審議に入るまでの工程で、そこから先は別です。委員会が許可を決議したあと、首相と内務大臣の同意を取り、同意が出てはじめて入国管理局が本人に文書で通知します。ロッブリー県入国管理局は、審議にかかる期間は年によって決まっておらず、委員会と内務省の方針しだいだ、と書いています。

待っているあいだの滞在は切れません。申し込んだ日にまず180日の滞在許可が押され、結果が出るまで180日ずつ更新されます。

許可の通知を受け取ったら、そこから30日以内に永住証明書を受け取りに行かなければなりません。入国管理法47条の期限で、この期間内に受け取らないと、委員会は永住の許可そのものを取り消すことができます。

そろえる書類

入国管理局が配っている英語版の必要書類一覧(投資の場合)から、種類だけを挙げます。実際の一覧は申し込みの種類ごとに別になっているので、自分の種類のPDFを公式ページで取ってください。

  • 申請書 ตม.9(TM.9)
  • 公立病院の健康診断書(発行から3か月以内)
  • 母国の無犯罪証明書。現地のタイ大使館・領事館か、タイにある自国の大使館の認証を受け、タイ語に訳し、タイ外務省領事局の認証を受けたもの
  • 学歴の証明書(同じく認証・翻訳・領事局認証が要ります)
  • 労働局の外国人労働者管理事務所が出す職歴の証明書と、これまでの労働許可証の全ページの写し
  • 勤め先が出す在職証明書(規定の様式・直近2年ぶん)と雇用契約
  • 個人所得税の年次申告書(ภ.ง.ด.91または90)と領収書の写し(申し込む年の前3年ぶん)、源泉徴収票など
  • 申し込む年の1月から前月までの月次の税(ภ.ง.ด.1)と領収書の写し
  • 投資の場合、1,000万バーツ以上を国外から送金したことを示す銀行の証明書と、投資の証拠
  • 住まいと勤め先の地図、旅券の全ページの写し、本人情報の様式と写真

外国語の書類は、タイにある自国の大使館の認証を受け、あとから照合できる形でタイ語に訳し、外務省領事局の認証を受ける必要があります。告示には「虚偽の書類や陳述は刑法上の犯罪です」という警告も入っています。

取れたあとに変わること、変わらないこと

出国するときは、出る前に裏書きをもらう

ここがいちばん誤解の多いところです。入国管理法48条は、永住証明書は期限なしで使えると定めたうえで、「ただし、永住証明書を持つ者が国外へ出た場合、その永住証明書は使えなくなる」と続けています。例外は、出国する前に永住証明書を担当官のところへ持っていき、50条の「再入国のための出国の届け出の証拠」(裏書き)を作ってもらった場合だけです。この場合、担当官が証拠を作った日から1年以内に戻り、12条・44条の禁止事由に当たらなければ、永住証明書はそのまま有効です。

50条によると、この裏書きの有効期間は1年で、その1年のあいだは何度でも出入りできます。永住証明書に裏書きの余白が無くなったら、52条にもとづいて証明書を取り替えてから、ということも書かれています。裏書きをもらわずに出国して有効期間内に戻らなかった人は、51条で「元どおり永住したい」という申し込みを別に出すことになり、そこでも新しい永住証明書を取り直すことになります。

つまり、永住権を取ると毎年のビザ更新はなくなりますが、旅行や一時帰国のたびに出国前の一手間が要るという別の管理に変わります。

コンドミニアムの買い方が1つ増える

区分所有建物法 仏暦2522年の19条は、区分所有権(コンドミニアムの部屋)を持てる外国人を列挙していて、その(1)が「入国管理法にもとづき王国内に住所を持つことを許可された外国人」です。19条の3では、その人が名義を移すときに窓口へ出すのは永住を許可されたことの証拠だと定めています。一方、19条(5)の外国人(永住権を持たない大多数の買い手)は、購入代金以上の外貨をタイに持ち込んだ証拠を出さなければなりません。

ただし、建物ごとに外国人が持てるのは専有面積の合計で49%までという19条の2の上限は、永住権があっても変わりません。買うときのお金と手続きはタイでコンドミニアムを買うときの決まりとお金にまとめています。

働くこと、取り消されること

入国管理法37条(1)は、就労について「外国人の就労に関する法律が別に定めている場合は、その法律にもとづく許可を受けなければならない」と、別の法律に委ねる書き方をしています。永住権と労働許可は別の制度なので、自分の場合にどう当たるかは労働省の窓口で確かめてください。事業者に代行を頼むなら、その比べ方はタイの就労ビザ・ワークパーミット代行の事業者を見るのほうが向いています。

そして53条は、永住を認めたあとで12条(7)(8)(10)に当たる事情が判明した場合、43条の投資枠の規則を守らない場合、44条の禁止事由に当たる場合、63条・64条の刑を受けた場合に、局長が委員会に諮り、委員会が相当と認めれば大臣に取り消しを具申する、と定めています。永住権は「取ったら終わり」ではありません。

家事の担い手を家に迎えるときの雇い主としての義務は永住権とは別の話で、タイでメイドを雇うときの決まりと給料に整理しています。

老後にタイで暮らすなら、永住権以外の道もある

「タイで老後を過ごしたい」という目的なら、永住権は最短でも遠回りです。3年ぶんの年単位滞在が入口の条件になっているので、まず滞在の形を作るところから始まります。滞在のための制度は公式に3種類あります。

リタイヤメントビザ(非移民ビザ O)

タイ外務省領事局の説明では、非移民ビザの「その他(O)」のうち高齢者として暮らすために入国する場合、満50歳以上であること、高齢者として、または退職して暮らす目的であることを明示し、滞在中は働かないことが条件です。書類は財政状況を示すもの、または年金の受給を示すものが要ります。ビザ自体は1回限りで3か月、複数回で12か月、1回あたりの滞在は90日、手数料は2,000バーツ(1回限り)と5,000バーツ(複数回)です。同じページには非移民ビザ全体の所持金として1人2万バーツ、家族で4万バーツと書かれています。長期滞在向けのO-A・O-Xについては別項を見るように案内されているので、そちらは領事局のページで確かめてください。

長期居住ビザ(LTR)

タイ投資委員会(BOI)が運営する長期居住ビザ(LTR Visa)は、最初に5年、条件を満たせばさらに5年という組み立てです。BOIの公式サイトによると、90日ごとの届け出が1年ごとになり、再入国許可が免除され、複数回の再入国が認められます。デジタル形式の労働許可も付きます。対象は4種類で、老後向けは「Wealthy Pensioners」です。

  • 50歳以上で、年金など働かずに得る収入が申請時点で年8万米ドル以上あること。給与など働いて得た収入は数えません。
  • 年4万米ドル以上8万米ドル未満なら、タイ国債(残存5年以上)・タイ登記会社への直接投資・タイの不動産のいずれか、または組み合わせで25万米ドルの投資を本人名義で行っていること。申請前に投資を済ませている必要があります。
  • いずれの場合も、5万米ドル以上を補償する医療保険に入っているか、タイの社会保障を受けているか、本人名義の口座に10万米ドル以上を12か月以上置いていること。

手数料は、タイ国内で受け取る場合で10年・複数回入国のビザ1人5万バーツ。労働許可の維持は年3,000バーツです。ビザの期間中は投資額・在職・口座残高・保険のすべての条件を維持し続けることが求められる、と公式サイトが念を押しています。

タイランド・プリビレッジ

会員権を買って滞在する仕組みです。公式サイトが出している会員種別と金額は、ブロンズが65万バーツ・5年、ゴールドが90万バーツ・5年、プラチナが150万バーツ・10年、ダイヤモンドが250万バーツ・15年、リザーブが500万バーツ・20年です。

この3つはいずれも滞在の制度であって、永住ではありません。永住権の入口の条件は告示1.1の「非移民ビザの査証を受け、年単位の滞在許可を受けてきて、滞在期間が3年を下回らないこと」という一文だけで、どのビザなら数えられるかまでは書かれていません。自分の滞在がこの条件に当たるかどうかは、告示の文言だけでは決まりません。申し込みを考えている人は、入国管理局の窓口で自分の旅券とビザを見せて確かめてください。

タイは永住権が取りやすい国なのか

この問いで検索する人が多いので、正面から書きます。タイの制度でハードルになるのは、金額よりも次の4点です。

  1. 枠が国別に年100人。入国管理法40条の上限です。日本国籍なら、日本人だけで年100人が上限になります。
  2. 入口に3年ぶんの年単位滞在が要る。申し込む資格を得るまでに、就労や結婚などで滞在の形を作り、更新を3回重ねる時間がかかります。
  3. タイ語の話す・聞く力が審査項目。専用の工程として90日が割り当てられています。
  4. 条件を満たしても不許可になり得る。告示の4.2は、条件をすべて満たしていても、国全体の経済・政治・社会の安定を考えたうえで委員会または内務大臣が不許可にできる、その判断は最終である、と書いています。しかも、その判断は情報公開法 仏暦2540年15条(1)(2)により公開する義務のない情報とされています。理由を開示させることはできません。

加えて4.2の前段には、ある国籍の有資格者が枠を超えた場合、申し込みの種類ごとと有資格者の数に応じて配分を割り振る、と書かれています。条件表を満たすことは必要条件であって、十分条件ではない、ということです。

ですから「タイは永住権が取りやすいか」に一言で答えるなら、金額の条件は他国と比べて極端に高くはないが、枠と裁量の面では狭い、というのが公式文書から言えるところです。国どうしを並べて比べたいときは、それぞれの国の公式情報を当たるしかありません。移住先を決めるときの考え方は移住先の国はどうやって決まるのかで扱っています。

タイに移り住むと決める前に

順番を間違えないのが大事です。永住権は最後に来るもので、最初に取りにいくものではありません。

  1. 滞在の形を決める — 働くのか、結婚しているのか、退職後なのか。ここでビザの種類が決まります。
  2. 年単位の滞在許可を積む — 毎年の更新を続けて3年。ここが永住権の入口です。
  3. お金の記録を残す — 収入も納税も「2年以上続けて」という書き方なので、あとから作れません。給与明細と納税の証拠は最初から保管しておくことになります。
  4. 受け付けの告示を待つ — 年に一度、数週間。告示は入国管理局の公式ページに出ます。

金額も期間も制度も変わります。この記事の数字は2026-08-31の時点でタイの法令と入国管理局・外務省・投資委員会の公式資料から取ったものです。申し込む段になったら、必ず入国管理局の公式ページでその年の告示を見てください。

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出典

このページの内容は 2026-08-31 に確認しました。料金・制度・営業情報は変わることがあります。