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Grab Food、注文する前に知っておくこと

タイのGrab Foodは、料金の決まり方もキャンセルの扱いも日本の出前アプリとは違います。運営会社と公的機関の公式情報だけを使って、アプリと支払いの準備、注文の流れ、受け取りで起きること、うまくいかなかったときの相談先までを整理しました。

この記事の要点

  • 確定した注文は取り消せません。規約では、アプリのチャットで届け先を変えることも取り消し扱いになり、料金を全額払う義務が残ります。
  • 配達員が届け先に着いてから5分たっても受け取れないと、料金は全額かかります。受け取る人がいなければ建物の前に置いてよく、それで配達済みの扱いです。
  • 払う総額は、料理の代金と配送料です。配送料は受け取り地点と届け先の距離で決まり、料理の値段は店が決めるので、店頭のメニューと同じとはかぎりません。
  • 支払いは現金、クレジットカードやデビットカード、GrabPayウォレットから選べます。現金が選べるので、タイの銀行口座やタイ発行のカードがなくても頼めます。
  • フードパンダはタイでは使えません。配達アプリはGrabのほかにLINE MANやRobinhoodがあり、自分の住所で店が出てくるかはアプリによって変わります。

タイでは、食事を届けてもらうのにスマートフォンのアプリを使うのがふつうになりました。なかでも Grab の食事配達(GrabFood)は、屋台の一杯から日系チェーンまで幅広く載っています。ただ、日本の出前アプリと同じつもりで使うと、料金の決まり方とキャンセルの扱いでつまずきます。このページは、運営会社と公的機関が公式に出している情報だけを使って、準備から受け取り、うまくいかなかったときの相談先までを整理したものです。どの店が良いかという評価は扱いません。

料理を売っているのはGrabではない

Grabの利用規約は「Grab」の指す会社をサービスごとに分けて書いています。GrabFoodについては Grabtaxi (Thailand) Co., Ltd. が主体だと明記されています(規約2.4.1)。

ただし、料理そのものを売っているのはGrabではありません。同じ規約は、アプリに表示される商品の価格はパートナー(=店)が単独で決めるもので、情報として掲げられているにすぎない(1.1.6)とし、さらに「商品に関する保証と品質については、パートナーが単独で責任を負う」(1.1.8)と書いています。買う相手は店であって、Grabはその場をつないでいる——この立て付けが、あとで出てくるキャンセルや値段の食い違いの扱いにそのまま効いてきます。

始める前に用意するもの

アプリ

Grabの公式ダウンロードページは、Google Play・App Store・AppGallery(Huawei)の3つを案内しています。Huaweiの端末でも入れられる、というのがここで分かることです。

支払い手段

公式のGrabFoodページは、支払いを「เงินสด บัตรเครดิต/เดบิต หรือ GrabPay Wallet」——現金・クレジットカードやデビットカード・GrabPayウォレット——から選べると書いています。現金が選べるので、タイの銀行口座やタイ発行のカードが無くても注文はできます。

GrabPayウォレットを使う場合は、運営がGrab本体ではないことを知っておくと迷いません。決済規約によれば、ウォレットを運営しているのは GPAY NETWORK (T) LIMITED で、タイ中央銀行の監督を受ける決済手段です。チャージは銀行振込やデビットカードのほか、公式ページによると K PLUS・SCB Easy・Krungthai NEXT・Krungsri App の4つの銀行アプリから行えます。決済規約が挙げるチャージの上限は1日あたり・1か月あたり50,000バーツです。

解約して残高を返してもらうときは時間がかかります。規約では、残高の確認に最大7日、そのあとの処理にさらに15日を要することがあり、返金先は自分名義の銀行口座に限られ、利子や上乗せは付かないと書かれています。短期の滞在で大きくチャージするのは向いていません。

注文の流れ

公式ページが挙げている頼み方は4通りです。

  • すぐ届けてもらう(instant delivery)
  • 時間を指定して届けてもらう(scheduled delivery)… 公式ページは「order up to 2 days in advance」と書いており、2日先まで予約できます
  • 自分で取りに行く(Pickup)… 規約上、Grabが伝えた時間内に受け取る必要があります
  • 店で食べる割引を買う(Dine Out Deals)

届けてもらう場合の速さは、タイ語版の公式ページが「แบบมาตรฐาน ส่งไวพิเศษ หรือ ส่งแบบประหยัด」の3種類を挙げています。標準・特急・節約です。英語版は「Standard, Priority or Saver Delivery, depending on how hungry you are(どれくらい空腹かに応じて)」と補っています。それぞれの配送料と到着の見込みは注文画面で示されるので、確定する前に見比べてください。

1回の注文に入れられる店の数にも上限があり、公式ページは「You can order from a total of 4 GrabFood restaurants at once」——同時に4店まで——としています。家族でばらばらの店から頼みたいときの目安になります。

会計に進む前の確認は、Grab自身が利用者向けの行動規範で求めています。「For GrabFood, confirm the items and price of your basket before check-out(GrabFoodでは、会計の前にカゴの中身と金額を確かめること)」。次の節のとおり、確定したあとは戻せません。

いくらかかるのか

公式ページの説明は単純で、払う総額はアプリに表示された料理の代金と配送料です。配送料は「การคำนวณค่าจัดส่งขึ้นอยู่กับระยะทางในการรับ-ส่งอาหาร」、つまり受け取り地点と届け先の距離で決まります。同じ店に頼んでも、自分がどこにいるかで金額は変わります。

気をつけたいのは料理の代金のほうです。前述のとおり価格は店が単独で決めるものなので、店頭のメニューと同じとは限りません。さらに規約1.1.7は、技術的な不具合・誤植・店から提供された古い商品情報などが理由で価格が誤って表示されることがあり、その場合は店の側が注文を取り消すことがあると書いています。表示が安すぎると感じたら、そのまま通るとは限らないということです。

配送料を軽くする定額会員

Grabは GrabUnlimited という定額の会員制度を出しています。公式ページに出ている金額は次のとおりです(2026-09-01 時点)。

項目公式サイトの表示
月ぎめ19バーツ/月
12か月ぶん99バーツ(月あたり8.25バーツ)
配送料の特典送料無料(最大15バーツの割引)。最低注文額あり
初めての人3か月無料で試せる
ポイント10バーツにつき1 GrabCoin

「送料無料」と書かれていますが、実体は15バーツを上限とする割引で、注文額の下限も付きます。配送料がそれを超える距離なら差額は自分で払います。申し込みはアプリのホーム画面でプロフィールのアイコンから、解約はいつでもできる、と公式ページは案内しています。

頼んだあとに取り消せるのか

ここが日本の感覚といちばん違うところです。規約1.1.2は、はっきりこう書いています——アプリで出されたすべての商品注文と配達予約(Goods Order)は確定したものとして扱われ、確定後にそれを取り消す権利はない。アプリのチャットや通話で届け先を変更する場合も含む。確定後に取り消した場合でも、その注文が店で作られたか届けられたかにかかわらず、所定の料金を全額支払う義務は残る

住所の変更まで取り消し扱いになる点は、覚えておく価値があります。注文を送る前に届け先を確かめるのが、いちばん安上がりです。

逆に、注文が処理されないことがある場面も規約1.1.5に並んでいます。(a) 確認の電話に出られない・ほかの手段でも連絡がつかない、(b) 指定した届け先がアプリの配達エリアの外にある、(c) 受け取りの時点で必要な情報・指示・許可が得られない、(d) 頼んだ品の在庫が無い、の4つです。規約1.1.3は、注文を出したあとに店が登録の電話番号にかけて内容・変更・金額・到着予定を確かめることがあると書いています。登録した番号に出られる状態にしておくことが、そのまま注文の成否に効きます。

受け取りのときに起きること

規約1.1.4は、料金を全額払う義務が残る場面をもうひとつ挙げています。配達員が届け先に着いてから5分たっても、あなたがその場にいない・物理的に受け取れない・連絡がつかない場合です。自分で取りに行く場合は、Grabが伝えた時間内に受け取らなければ同じ扱いになります。

さらに規約は、受け取る人がその場にいないとき、パートナーは注文品を届け先の建物の上または前に置いたままにしてよく、その商品は配達済みとみなされると書いています。置き配が既定の扱いだ、ということです。コンドミニアムのロビーや門を届け先にしている場合、置かれたあとに無くなっても、それは自分の側の問題になります。Grabの行動規範も「GrabFoodで注文したなら、受け取る人が必ずその場にいるようにしてください」と求めています。

住所を書き間違えたときの扱いもはっきりしています。規約1.1.10は、利用者が入力した届け先の誤りによって配達が遅れたり届かなかったりしても、Grabは責任を負わないとしています。同じ条項には「GrabFood、GrabMart、GrabSupermarketは匿名のサービスとしては提供されない」とも書かれており、配達の過程であなたの情報が相手に伝わることが前提になっています。部屋番号や建物名を省いた住所は、そのまま自分の損になります。

どこまで届くのか

Grabのタイ公式サイトは、サービスを出している場所を県単位で一覧にしています。バンコクのほか、チェンマイ、プーケット、チョンブリ(パタヤ)、プラチュアップキーリーカン(ホアヒン)、ソンクラー(ハートヤイ)、スラートターニー(サムイ島)、チェンラーイ(メーサイ)など、観光地と県庁所在地が広く並びます。

ただし、県に名前があるからといって自分の住所まで届くとは限りません。規約1.1.1は、注文は店側の在庫と、その場所がサービスの対象かどうかに左右されると書いています。前掲の1.1.5(b)にあるとおり、配達エリアの外なら注文は処理されません。実際に頼めるかどうかは、アプリに自分の現在地を入れて店が出てくるかで判断してください。

時間帯については、タイ語版の公式ページが「เราพร้อมให้บริการทุกวัน 24 ชั่วโมง(毎日24時間、いつでも)」とサービス側の体制を書いています。ただしこれはGrab側の話で、その時間に開いている店があるかどうかは別です。前掲の1.1.1のとおり、注文できるかは店の側の事情にも左右されます。

Grab以外のアプリ

タイの配達アプリはGrabだけではありません。LINE MAN の公式サイトは、食事の配達について「กว่า 700,000 ร้านทั่วไทย(タイ全土で70万店以上)」「ค่าส่งเริ่ม 0 บาท(配送料は0バーツから)」と書いており、食事のほかにMart(買い物の代行)、Ride(配車)、Messenger(バイク便)を挙げています。会員制度のLINE MAN VIPは「เดือนละ 19.- หรือปีละ 99.-」で、月19バーツまたは年99バーツ。Grabの定額会員とちょうど同じ値づけです。

Robinhood も、公式サイトが食事の注文サービスとして案内を出しています。

フードパンダ(foodpanda)はタイでは使えません。日本語の情報にはいまも出てきますが、2026-09-01に確かめたところ foodpanda.co.th は Robinhood のアプリ案内へ転送され、運営元 Delivery Hero が公表しているブランド別の展開国一覧にもタイは入っていません。メーカーの公式ページなどに販売先として残っていることがありますが、更新が追いついていない形です。 どのアプリが自分の住所で強いかは地区によってかなり違います。事業者を選ばせるのはこのページの役目ではないので、ここでは「一つではない」ことだけ押さえてください。アプリを2つ入れておいて、店が出てくるほうで頼む、という使い方が現実的です。

うまくいかなかったときの相談先

品物が違う、足りない、届かない。まずはアプリの中の注文画面から店または配達員に連絡し、それでも解決しなければGrabのヘルプに出します。Grabの行動規範は、利用者に対して「アカウントの作成や利用にあたって、また料金への異議申し立てや意見の送付にあたって、常に真実の情報を出すこと」を求め、これに反した場合はアカウントを一時的または恒久的に停止することがあるとしています。実際より大げさに申告するのは得策ではありません。

事業者との話がつかない場合、タイには公的な窓口があります。สำนักงานคณะกรรมการคุ้มครองผู้บริโภค(消費者保護委員会事務局、略称 สคบ.) が、公式サイトで「ศูนย์รับเรื่องร้องทุกข์และ Call Center 1166」——苦情受付センターとコールセンター 1166——を案内しています。同じページには、オンラインでの申立てや専用アプリ、チャットボットからも受け付けると書かれています。案内はタイ語で書かれているので、進め方は公式サイトで確かめてください。

店を選ぶ段になったら

ここまでは「アプリの仕組み」の話でした。どの店に頼むかを点で比べたいときは、評価を扱う面であるバンコクの飲食店の口コミと評価のほうを見てください。この記事は「知る」ための面なので、店を選ばせることはしません。

アプリで頼める料理そのものの中身については、バンコクで寿司を食べるときバンコクの居酒屋と焼き鳥にまとめています。なお、ここで見てきた規約の条項は、GrabFoodだけでなくGrabMartやGrabSupermarketにも同じように当てはまるものが多く、飲み物や日用品を頼むときも考え方は同じです。タイの飲み物のことはクラティンデーン(タイの栄養ドリンク)で扱っています。食べる・飲むまわりの記事は食べる・飲むの記事一覧から辿れます。

出典

このページの内容は 2026-09-01 に確認しました。料金・制度・営業情報は変わることがあります。