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タイのレッドブル、クラティンデーンとは

タイの棚に並ぶ150ミリリットルのクラティンデーン(กระทิงแดง)は、世界のレッドブルが生まれたもとになった飲み物です。作っている会社、成分、値段、日本のものとの違い、ラベルの警告とカフェインの目安を公式情報だけで整理しました。

この記事の要点

  • タイの店頭に並ぶクラティンデーン(กระทิงแดง)は150ミリリットルの小瓶で、作っているのはTCPグループです。日本で売られているレッドブルとは、売り手も中身の規格も同じとはかぎりません。
  • 世界のレッドブルは、この飲み物から始まりました。オーストリアの Red Bull GmbH は、創業者の家族が51%、マテシッツ氏が49%を持つ形で設立された別の会社です。
  • タイで「レッドブル」の名前が付いた250ミリリットルの缶を買うと、炭酸のフレーバー飲料が出てくることがあります。赤い牛の小瓶がほしいときは Kratingdaeng と伝えてください。
  • 小売各社の公式オンラインストアの表示は、150ミリリットル1本で10.00バーツ前後です。店頭の値札と一致するとはかぎらないので、買う前に値札を見てください。
  • タイの食品医薬品局は、1日に摂るカフェインを400ミリグラムまでとし、カフェイン入りの飲み物を何種類も近い時間に飲まないよう案内しています。

タイで売られている กระทิงแดง(英語表記は Kratingdaeng)は、150ミリリットルの小さな1本です。日本語ではよく「タイのレッドブル」と紹介されます。日本で見慣れたレッドブルを思い浮かべたまま手に取ると、たいていの人が面食らいます。量も、作っている会社も違うからです。このページは、そのクラティンデーンが何なのかを、作っている会社と行政が公表している情報だけで整理した「知る」ための記事です。どの銘柄が良いかという評価は扱いません。

タイでレッドブルと呼ばれている飲み物

作っているのは T.C. Pharmaceutical Industries(TCPグループ)です。同社の公式製品ページによると、タイで売られている主力は「กระทิงแดง ทอรีน 1,000 มก. ผสมวิตามินบี 12(クラティンデーン タウリン1,000mg ビタミンB12入り)」で、150ミリリットル145ミリリットルの2つの容量があります。公式の説明は「タウリン1,000ミリグラム、ビタミンB12とB6が高い」というものです。販売市場としてタイ・ラオス・モンゴルが挙げられています。

同社がインドネシア向けの150ミリリットル品について書いている成分の並びは、タウリン、カフェイン、イノシトール、ビタミンB3・B6・B12、プロビタミンB5、天然の糖です。

なお、TCPの製品ページには1本あたりのカフェインが何ミリグラムかという数値は出ていません。実際に買ったものの量を知りたいときは、容器のラベルの表示を読んでください。タイでは後述のとおり、カフェインを含む飲料はラベル表示が義務づけられています。

世界のレッドブルは、この飲み物から始まりました

「レッドブルの発祥はタイ」と言われるのは、次の経緯があるからです。以下はすべてTCPグループの公式沿革ページに書かれていることです。

  • 創業者は Chaleo Yoovidhya(チャレオ・ユーウィッタヤー)氏。医薬品の営業から出発し、1956年3月27日に「T.C. Pharmaceutical Ltd.」を設立しました。最初の事務所はカオサン通りのランブトリ路地の借家でした。
  • 創業から2つめの10年(1967〜1976年)に、医薬品から消費財へ広げ、栄養ドリンクに着目します。まず「Theoplex-D Syrup 100cc」を発売しました。2頭の赤い牛がぶつかり合う商標が覚えられやすく、そこから「Red Bull」という通称が付いた、と同社は説明しています。
  • これが「Red Bull」150ccの発売につながります。値下げや、使用済みのキャップと引き換えにおまけを配る「Red Bull Soo Sa」というキャンペーンが当たりました。
  • 1978年8月28日、製造と輸出のための会社として「T.C. Pharmaceutical Industries Co., Ltd.」を設立。最初の輸出先はシンガポールでした。
  • その後、同社のビジネスパートナーであったオーストリアの実業家 Dietrich Mateschitz(ディートリッヒ・マテシッツ)氏が、ヨーロッパでレッドブルを売りたいと申し出ます。結果としてオーストリアに Red Bull GmbH が設立されました。持ち株はチャレオ氏の家族が51%、マテシッツ氏が49%、と同社は書いています。
  • タイ国内向けには、1988年に「Red Bull Beverage Co., Ltd.」が設立され、レッドブル・コーヒーやレッドブル・コーラなどが作られました。2017年には4社をまとめて「TCPグループ」として統合しています。

つまり「本家はタイ」という言い方は、起源をたどればそのとおりです。ただし今のオーストリアの Red Bull GmbH は、共同で作られた別の会社です。タイの店頭に並ぶクラティンデーンは TCP グループの製品なので、日本で売られているレッドブルとは、売り手も中身の規格も同じとはかぎりません。ここが混乱しやすいところです。

成分と容量を並べてみる

TCPグループの公式製品ページに出ている、タイで売られているクラティンデーン系の一覧です(2026-08-31に確認)。

製品容量タウリン公式の説明
กระทิงแดง(タウリン1,000mg・ビタミンB12入り)150ml / 145ml1,000mgビタミンB12とB6が高い
ทีโอเปล็กซ์ – แอล(Theoplex-L)100ml850mgビタミンB6を添加
Kratingdaeng Extra ABC145ml800mgビタミンA・B12・Cが高い
Kratingdaeng Extra Zinc145ml記載なし亜鉛とビタミンB12が豊富

「Theoplex」という名前は、上の沿革に出てきた最初の栄養ドリンク「Theoplex-D Syrup」にも使われていたものです。同じブランドの中に、容量とタウリン量の違う枝分かれがいくつもあります。

日本で売られているレッドブルとは別の会社の別の製品です

ここが「タイ レッドブル」で調べた人がいちばん知りたいところだと思います。TCPグループの「Red Bull」名義の製品ページを見ると、販売市場がはっきり書き分けられています。

  • Red Bull Energy Drink(250ml)の販売市場は、カンボジア、インドネシア、ラオス、モンゴル、ミャンマー、ネパール、シンガポール、ベトナム。タイは入っていません
  • タイでTCPが「Red Bull」の名前で出しているのは、炭酸入りの Red Bull Energy Soda / Red Bull Soda の系統(250ml)です。公式ページに販売市場としてタイが挙がっているのは、Summer Berry、Blueberry Blackcurrant、Apple and Muscat Grapes、Grapefruit and Pineapple の各味でした。
  • その Energy Soda について同社は、「fizziness(炭酸感)とフルーティーな味の組み合わせ」「緑茶由来の天然カフェイン」「no sugar(砂糖不使用)」と説明しています。

言いかえると、タイで「レッドブル」の名前が付いた缶を買うと、日本のレッドブルではなく炭酸のフレーバー飲料が出てくることがあります。日本でおなじみの味に近いものを探しているなら、缶の表示をよく見てください。日本で売られているレッドブルの容量・成分・カフェイン量は、レッドブル・ジャパンの公式サイトで確認してください。このページでは、確かめられなかった数値は書きません。

いくらで買えるのか

小売各社が公式のオンラインストアで表示している価格です。2026-08-31に確認しました。店頭価格や地域、時期によって変わります。

売り場商品表示価格
ロータス(Lotus's)オンラインストアクラティンデーン 150ml 1本10.00バーツ
マクロ(Makro PRO)オンラインストアクラティンデーン 150ml × 50本420.00バーツ(1本あたり8.40バーツ)

1本10バーツ前後という水準です。上の2つはいずれも各社の公式オンラインストアの表示で、店頭の値札と一致するとはかぎりません。買う前に値札を見てください。

ラベルの警告には何と書いてあるか

タイでは、カフェインを含む飲料(เครื่องดื่มผสมกาเฟอีน)は食品法上の特定管理食品(อาหารควบคุมเฉพาะ)にあたります。保健省 食品医薬品局(อย.)は、ラベルに次の表示を出すことを求めていると公表しています。

  • 「มีกาเฟอีน」(カフェインを含む)
  • 「ห้ามดื่มเกินวันละ …」(1日に…(缶・瓶などの容器名を入れる)を超えて飲まないこと。動悸や不眠を起こすおそれがあるため。子どもと妊婦は飲まないほうがよい。持病のある人や患者は先に医師に相談すること)

同局は続けて、飲む人はラベルの警告を読むこと、1日に摂るカフェインは400ミリグラムを超えないこと、そしてカフェイン入りの飲み物を何種類も同時に、あるいは近い時間に飲まないことを挙げています。カフェインへの反応の出方は人によって違う、とも書かれています(同局の案内は仏暦2566年4月19日付)。

密封容器入りの飲料そのものの規格は、保健省告示 第356号(仏暦2556年)と、その後の第402号・第465号で定められています。第465号は仏暦2568年11月28日付で、密封容器入り飲料の区分を4つに整理し直したうえ、施行前の許可品は施行日から2年間は販売してよい、としています。表示や区分のルールは動くので、細かい点は食品局の法令ページで確かめてください。

カフェインはどのくらいまでにするか

タイの当局が示す400ミリグラムという数字は、日本の行政がまとめている各国の目安ともそろっています。農林水産省のカフェインのページ(令和8年8月28日更新)には、次のように整理されています。

示した機関対象1日あたりの目安
欧州食品安全機関(EFSA)健康な大人400mg
欧州食品安全機関(EFSA)妊婦・授乳婦200mg
欧州食品安全機関(EFSA)子ども体重1kgあたり3mg
世界保健機関(WHO)妊婦300mg
カナダ保健省18歳以上400mg
カナダ保健省18歳未満体重1kgあたり2.5mg
米国食品医薬品局(FDA)健康な大人400mg

同ページは、カフェインを摂りすぎて中枢神経が過度に刺激されると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠が起こると説明しています。妊婦については、高濃度のカフェインを摂った場合に胎児の発育を阻害(低体重)する可能性が報告されている、と書かれています。

この目安は「その日に口に入れたカフェインの合計」に対するものです。エナジードリンクだけでなく、コーヒー・お茶・コーラも足して考えてください。上の局の案内が「何種類も同時に、あるいは近い時間に飲まない」と書いているのは、この積み上がりを避けるためです。

タイのエナジードリンクはクラティンデーンだけではありません

TCPグループ自身も、クラティンデーンのほかに Warrior、Ready、Somplus、Som Hero といったエナジードリンクと、スポーツ飲料の Sponsor を公式ページで挙げています。

もう一方の大手が オソサパ(Osotspa)です。同社の公式沿革によると、1891年にバンコクのサンペーン地区で「Teck Heng Yoo」という薬局として始まり、1949年に「Osotspa "Teck Heng Yoo" Company Limited」として登記、2018年10月17日にタイ証券取引所へ上場しています。公式のブランド一覧には、エナジードリンク・スポーツドリンクとして M-150、Lipo、Som in Sum、White Shark、M-Sport、Shark が並びます。

タイで何を飲むかの全体像は食べる・飲むの記事一覧から辿れます。

どこで買うか

TCPグループは公式ページで、クラティンデーンの販売市場としてタイを挙げています。スーパーマーケットのロータスも、会員制卸のマクロも、公式のオンラインストアで取り扱いがあります。TCPグループ自身も公式のオンラインショップ(shop.tcp.com)を持っています。実店舗のどこに置いてあるかは店ごとに違うので、確実に買いたいときは各社のオンラインストアで見てください。

どの店で買うのがよいか、という比べ方はこのページでは扱いません。値段も品ぞろえも店ごとに動くので、公式に出ている情報で確かめられないことは書かない方針です。飲食の場そのものについて、行った人の評価を見たいときは、点をつけて比べる面であるバンコクの飲食店の口コミと評価を見てください。

日本へ持ち帰るとき

持ち帰るときに引っかかるのが液体物の扱いです。国際線では客室内へ持ち込める液体物に制限があります。国土交通省が「国際線の航空機客室内への液体物持込制限について」として案内しています。具体的な容量や袋の条件は同省のページと、利用する空港・航空会社の公式案内で確認してください。持ち帰るなら預け入れの荷物に入れるのが基本です。中身がこぼれて他の荷物を汚さないよう、袋に入れて包んでおくと安全です。

食事と一緒に頼めるか

TCPグループ自身は、この飲み物を「1日を始めるとき、仕事を続けるとき、夜勤で集中を保つとき」に飲むもの、という書き方をしています。食事に合わせる飲み物としては説明されていません。

食事と飲み物の組み合わせをきちんと考えたいときは、店の性格から入ったほうが早いです。バンコクの日本食まわりはバンコクで寿司を食べるときバンコクの居酒屋の使い方バンコクで焼肉を食べるときにそれぞれまとめています。

名前の読み方と、店での頼み方

タイ語の表記は กระทิงแดง、TCPの英語表記は Kratingdaeng です。カタカナ表記には揺れがあるので、店で通じないときは、TCPの公式表記どおり英字で書いて見せるのが確実です。タイで「レッドブル」と英語で言うと、上に書いたとおり炭酸の缶が出てくることがあるので、赤い牛の小瓶がほしいときは Kratingdaeng と伝えてください。

出典

このページの内容は 2026-08-31 に確認しました。料金・制度・営業情報は変わることがあります。