タイのビールの種類と、買うときのきまり
タイで売られているビールを、作っている2つの会社ごとに整理しました。銘柄ごとのアルコール度数・容量・原料、買える時間帯と年齢、値段に乗る酒税、そして持ち込みと持ち帰りの数量を、公式情報だけでまとめています。
この記事の要点
- タイのビールは、作っている会社をたどると大きく2つ、ブンロート(シンハー、レオ)とタイ・ビバレッジ(チャーン)に集まります。
- 公式表示のアルコール度数は4.0%から5.0%で、日本の一般的なビールと大きくは変わりません。
- 酒類を買えるのは原則として11時から24時までです。2026年5月29日からこの時間になり、飲めるのは20歳からです。
- 値段には酒税が乗っています。ビールは従価22%と、純アルコール1リットルあたり430バーツの従量の両方で計算されます。
- 数量には上限があります。タイへ持ち込める酒類は1リットルまで、日本へ持ち帰れる免税の範囲は3本までです。
タイのコンビニやスーパーの冷蔵ケースに並ぶビールは、見た目こそ何十種類もありますが、作っている会社をたどると大きく2つに集まります。このページは、その顔ぶれと、銘柄ごとのアルコール度数・容量・原料、買える時間帯と年齢のきまり、値段に乗っている酒税、そして持ち込みと持ち帰りの数量を、各社と行政が公式に出している情報だけで整理したものです。どの銘柄が良いかという評価や、どの店で買うべきかという話は扱いません。
タイのビールを作っている2つの会社
ひとつはブンロート・ブリュワリー(Boon Rawd Brewery)です。公式サイトは自社を「80年を超えて食品と飲料の事業を営んできたタイの会社」と説明しています。日々の運営とマーケティングはシンハー・コーポレーションが担っており、同社の公式サイトによれば、2000年にグループを大きく再編したのち2001年に設立され、いまは150社を超える傘下企業を束ねる立場にあります。
もうひとつがタイ・ビバレッジ(ThaiBev)です。ビール事業は BeerCo Limited の下にあり、公式サイトは同社を「販売数量でASEAN最大のビール会社」と記し、タイとベトナムで事業を行っていると書いています。グループのビール工場は30、製品は50か国以上で売られている、というのも同じページの記述です。
売り場に並ぶ名前は、この2社のどちらかに属していると考えるとほぼ整理がつきます。
| 作っている会社 | 公式サイトに並ぶビールの名前 |
|---|---|
| ブンロート/シンハー・コーポレーション | Singha(シンハー)、Singha Reserve、Leo(レオ)、My Beer、Snowy Weizen、Est.33 Copper |
| 同上(同じ「BEERS & ALCOHOLS」の欄に並ぶ他社ブランド) | Asahi、Carlsberg、Corona、Kronenbourg |
| タイ・ビバレッジ | ช้าง(チャーン)、อาชา(アーチャー)、เฟเดอร์บรอย(フェーダーブロイ)、แทปเปอร์(タッパー)、แบล็ค ดราก้อน(ブラックドラゴン) |
チャーンについて、タイ・ビバレッジの公式サイトは仏暦2538年(1995年)に発売したと書いています。日本でよく名前を聞くシンハーとレオ、そしてチャーン。この3つが売り場の中心にあり、そこから各社の派生銘柄と、シンハー・コーポレーションが同じ欄に並べているアサヒやカールスバーグのような外国ブランドが広がっていく、という構図です。
「シンハー」はビールだけの名前ではない
売り場でも食堂でも紛らわしいのが、シンハーという名前がビール以外の商品にも付いていることです。ブンロートの公式の製品一覧には、ビールと並んで次のものが載っています。
| 商品 | 公式の説明 | 容量(公式表示) |
|---|---|---|
| シンハー・ドリンキングウォーター | 細かなろ過を重ねて純度を保った飲料水 | 330ml/500ml/600ml/750ml/1.5L/6L/19L |
| シンハー・ソーダウォーター | 自噴井の水から作り、長く続く泡が特徴の炭酸水 | 325ml/400ml |
| プラ(Purra) | ナチュラルミネラルウォーター | 330ml/500ml/750ml/1.5L |
シンハー・コーポレーションの公式サイトも、ビールの欄とは別に飲料の欄を設けていて、そこにはシンハーの水・ソーダ・レモンソーダ、プラとその機能性ドリンク、FIJI が並んでいます。名前が同じでも、欄がそもそも別なのです。
言い方でひとつ手がかりになるのは、タイ・ビバレッジの公式サイトがチャーンを「เบียร์ช้าง(ビア・チャーン)」と書いていることです。เบียร์(ビア)がビールにあたる語で、ブランド名の前に置かれます。ブランド名だけを言うより、この語を先に足したほうが、水やソーダと取り違えられにくくなります。
度数と容量を並べてみる
各社の公式サイトに書かれている数字だけを表にしました。表示は改定されることがあるので、正確なところは各社の公式ページで見直してください。
| 銘柄 | アルコール度数(公式表示) | 容量(公式表示) |
|---|---|---|
| シンハー | 5.0% | 320ml/620ml |
| シンハー ライト | 4.0% | 320ml/620ml |
| レオ | 5.0% | 320ml/620ml |
| チャーン クラシック | 5% | 缶320ml・490ml/瓶320ml・620ml |
| チャーン コールドブリュー | 4.6% | 缶490ml/瓶320ml・620ml |
| チャーン エスプレッソラガー | 4.8% | 缶490ml |
幅は4.0%から5.0%までで、日本の一般的なビールとほとんど変わりません。「タイのビールは強い」と言われることがありますが、公式表示を並べるかぎり、度数そのものに大きな差はないことになります。
シンハー
ブンロートの公式サイトは、シンハーを「最良の原料から醸造したプレミアムラガー。100%大麦麦芽の、こくがあってはっきりと豊かな味わい」と説明しています。度数は5.0%。麦芽以外の副原料を使わないことを、公式が正面から書いている銘柄です。
シンハー ライト
同じ公式サイトで「低カロリーのビール」と位置づけられ、なめらかで切れがよく飲みやすい選択肢だと書かれています。度数は4.0%で、表のなかでいちばん低い数字です。
レオ
公式の説明は「なめらかな味わいで、風味のしっかりしたスタンダードなラガー」。度数はシンハーと同じ5.0%です。シンハーの弟分のように語られることが多い銘柄ですが、公式表示のうえでは度数も容量も同じで、違いは味の設計にあります。
チャーンは3つに分かれる
チャーンは1種類ではありません。公式サイトが独立したページを持っているのは次の3つです。
- クラシック(5%)— 「心地よく豊かな風味と、控えめな果実とホップの香りを持つラガー。自然で飲みやすい造り」。原料は公式表記で Malt, Hops, Yeast and Water。
- コールドブリュー(4.6%)— 「100%麦芽から、コールドブリュー製法(氷点下ろ過)で造った」ビール。すっきりして飲みやすい仕上がりだと説明されています。
- エスプレッソラガー(4.8%)— 麦芽・ホップ・水に「アジアのロースト・コーヒー豆のブレンド」を合わせたもの。原料は公式表記で Malted Barley, Rice, Hops, Coffee, Water。
ブランドの考え方として、チャーンの公式サイトは「ละเมียด(ラミアット)」というタイ語を掲げています。公式の言葉では「ものの見方を変えてくれるタイの哲学」で、「完成度を高めるのは小さなことだ」という説明が添えられ、「すべてのチャーンビールはラミアットで醸造される」と書かれています。
味の違いはどこに出るか
公式の原料表示を並べると、違いが出る場所がはっきりします。
- 麦芽だけか、副原料が入るか — シンハーは「100%大麦麦芽」、チャーン コールドブリューは「100%麦芽」。いっぽうチャーン エスプレッソラガーの原料表示には米(Rice)とコーヒーが入っています。
- 製法 — チャーン コールドブリューだけが「氷点下ろ過」を名前に掲げています。
- 度数 — 4.0%から5.0%。1杯あたりの差は小さく見えますが、620mlの大瓶を選ぶと総量が効いてきます。
逆にいうと、公式が出している情報でわかるのはここまでです。苦みの強さや後味のような感覚的な差は、公式サイトには数値で書かれていません。飲み比べて決める部分だと考えてください。
買える時間が決まっている
タイでは酒類の販売時間が法律で決められており、コンビニでもスーパーでも、時間外はレジを通せません。タイ国政府観光庁の公式ニュースルームによると、2026年5月29日から、酒類は原則として11時から24時までのあいだに販売できることになりました。同じ告知には次の点も書かれています。
- 飲酒できる年齢は20歳。
- 寺院、官公庁、ガソリンスタンド、公園、公共交通の場所などでは、販売や飲酒が引き続き制限される。
- 選挙の日や主要な宗教行事の日など、当局が告知する期間は販売が制限されることがある。
- 国際空港、ホテル、認可された娯楽施設、承認されたイベント会場などは、別の条件で運用される場合がある。
旅行の日程が仏教の行事日に重なると、その日は街じゅうで酒類が買えないことがあります。日付は年によって動くので、滞在期間が決まったら現地の告知で確かめておくと安心です。
値段には何が乗っているか
タイの酒税はタイ物品税局が管轄しています。同局の税率データベースでビールの区分(13.01「สุราแช่」のうち「ชนิดเบียร์」)を見ると、従価と従量の両方で計算すると明記されており、税率は次のようになっています。
| 区分 | 従価(価格に対する率) | 従量(純アルコール1リットルあたり) |
|---|---|---|
| ビール | 22% | 430バーツ |
| ぶどうのワイン・スパークリングワイン(参考) | 5% | 1,000バーツ |
この率は2024年2月23日から有効なものとして表に載っています。従量のぶんは純アルコールの量にかかるので、度数が上がるほど増えます。表の従量ぶんだけを機械的に当てはめると、5%・320mlの1本に含まれる純アルコールは0.016リットルで、430バーツを掛けると約6.9バーツ。ただしこれは税金の一部にすぎず、実際の店頭価格には従価のぶん、付加価値税、その他の負担金、そして流通の利幅が重なります。この計算結果が価格そのものではない点にご注意ください。
持ち込める量と、持ち帰れる量
お土産に考えている場合、行きも帰りも数量の上限があります。どちらも各国の税関が公式に数字を出しています。
| 方向 | 公式の数量 | 出典の書きぶり |
|---|---|---|
| 日本などからタイへ持ち込む | 酒類は1リットルまで | タイ関税局「No more than 1 litre of alcoholic beverage」 |
| タイから日本へ持ち帰る | 酒類3本 | 日本税関の備考に「1本760mlのもの。」 |
タイ関税局は、上限を超えた分について「税関が用意する箱に入れること。さもなければ訴追される」と明記しています。日本側については、税関のページに「20歳未満の場合は『酒類』と『たばこ』は免税になりません」とも書かれています。なお、320mlや490mlのような小さい容器を「1本」としてどう数えるかは、日本税関のこのページには書かれていません。まとめて持ち帰るつもりなら、出発前に税関へ確かめてください。
買う前に確かめておくこと
- 度数 — 4.0%から5.0%まで幅があります。ラベルの表示が公式表示と一致しているか見ておくと確実です
- 容量 — 320ml、490ml、620ml。同じ銘柄でも缶と瓶で入る量が違います
- 原料 — 麦芽だけのものと、米やコーヒーが入るものがあります。公式ページに原料表記が出ています
- 時間帯 — 販売できる時間が決まっています。買い出しは時間内に済ませておくのが無難です
- 場所 — 寺院や官公庁、ガソリンスタンド、公園、公共交通の場所では制限があります
- 数量 — 持ち込みは1リットルまで。持ち帰りは日本側の免税範囲を先に確認してください
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本文の度数・容量・原料は各社の公式サイト、販売時間はタイ国政府観光庁の公式ニュースルーム、税率はタイ物品税局、持ち込みと持ち帰りの数量はタイと日本の税関の公式ページを、2026-08-31に見た内容です。制度も商品も変わります。出かける前に、それぞれの公式ページで最新の表示をご確認ください。
出典
- Boon Rawd Brewery 公式(シンハー・シンハーライト・レオのアルコール度数と製品説明)(2026-08-31 取得)
- Boon Rawd Brewery 公式 製品一覧(容量の表示)(2026-08-31 取得)
- Boon Rawd Brewery 公式 会社案内(2026-08-31 取得)
- Singha Corporation 公式(扱うビールの一覧と会社の成り立ち)(2026-08-31 取得)
- Chang Beer 公式 Chang Classic(度数・原料・容器)(2026-08-31 取得)
- Chang Beer 公式 Chang Cold Brew(度数・製法・容器)(2026-08-31 取得)
- Chang Beer 公式 Chang Espresso Lager(度数・原料・容器)(2026-08-31 取得)
- Chang Beer 公式「Our Lamiat」(2026-08-31 取得)
- タイ・ビバレッジ(ThaiBev)公式 ビール事業(発売年・ブランド・拠点)(2026-08-31 取得)
- タイ国政府観光庁 公式ニュースルーム「Alcohol sales and consumption rules updated in Thailand」(2026-08-31 取得)
- タイ物品税局(กรมสรรพสามิต)酒類の税率表(13.01 สุราแช่ ชนิดเบียร์)(2026-08-31 取得)
- タイ関税局(Thai Customs)旅行者の酒類・たばこの持ち込み(2026-08-31 取得)
- 日本 税関「海外旅行者の免税範囲」(2026-08-31 取得)
このページの内容は 2026-08-31 に確認しました。料金・制度・営業情報は変わることがあります。