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タイでレンタカーを借りるとき、何が要るか

タイでレンタカーを借りるには国外運転免許証と本人名義のクレジットカードが要ります。年齢の条件、1日を24時間で数える決まり、免責額と補償の切れ目、高速料金の払い方、運転手付きで頼むときの数え方までを公式情報だけで整理しました。

この記事の要点

  • タイで車を借りるには、日本で先に取る国外運転免許証と、借りる本人名義のクレジットカードが要ります。デビットカードや現金ではデポジットの与信枠を押さえられず、書類がそろわないと貸出を断られ、前払い分も戻りません。
  • 年齢には上限もあります。ハーツ・タイランドは21歳から70歳まで、エイビス・タイランドは21歳以上65歳以下と規約に書いています。
  • 1日は24時間で数えます。表示の日額に加えて、免責額をゼロにする補償、営業時間外の受取・返却、金土日の加算などが規約どおりに乗るので、日額だけで総額を見積もらないでください。
  • ぶつけても全部は守られません。基本の補償はタイヤ・窓ガラス・車内・鍵の紛失などに及ばず、事故を会社へただちに連絡しなかった場合は補償が適用されず損害額の全額を負担すると規約に書かれています。
  • 高速道路の通行料と交通違反の反則金は契約金額に含まれず、借りた人の負担です。遮断機のないM-Flowのレーンを通ってしまったら放置せず、レンタカー会社に申し出てください。

タイでレンタカーを借りるときにいちばん多い行き違いは、日本の運転免許証だけを持って空港のカウンターへ行ってしまうことです。タイで外国人が車を借りるには、日本で先に取っておく国外運転免許証と、借りる本人名義のクレジットカードが要ります。このページは、借りるまでに何がいるか、料金が日額のほかにどう積み上がるか、ぶつけたときどこまで守られるか、高速道路とガソリンの払い方、そして運転手が付く借り方までを、各社と行政の公式情報だけで整理した「知るための」記事です。どこで借りるとよいかという評価は扱いません。

借りるのに要るものは3つ

タイのレンタカー会社が公式に出している貸出条件は、細かい違いはあっても、外国人については同じ3点に落ち着きます。

  • パスポート(タイ在住のタイ人は身分証明書)
  • 国外運転免許証(IDP)。タイの運転免許証を持っているならそれでも構いません
  • 借りる本人名義のクレジットカード。デポジット(保証金)の与信枠を押さえるために使います

ハーツ・タイランドの利用条件では、必要書類として「身分証明書またはパスポート」「タイの運転免許証または国際運転免許証(IDP)」「予約名と同じ名義のクレジットカード」の3点が挙げられ、すべて関係機関が発行した原本で、有効期間内のものと明記されています。同社のよくある質問には、外国人が借りる場合は国際運転免許証が必要であること、免許証のコピーは受け付けないこと、受け付けるのは1年以上保有している正式な免許証で、重大な交通違反歴がないものであることが書かれています。エイビス・タイランドの規約も、外国人はパスポートと国際運転免許証、そして身分証と同じ名義のクレジットカードを提示すると定めています。

書類がそろわないとどうなるかも、両社とも規約に書いています。条件を満たさない場合は貸出を断り、前払い分は返金しないという扱いです。当日にカウンターで交渉する余地はない、と考えておくのが安全です。

国外運転免許証は日本で取っておく

国外運転免許証は、ジュネーブ条約の締約国で運転するために日本の公安委員会が出す証明書です。警視庁の案内によると、有効期間は発行日から1年間で、更新の制度はありません。手数料は2,250円で、申請には運転免許証(またはマイナ免許証)、申請前6か月以内に撮影した縦4.5センチメートル×横3.5センチメートルの写真1枚、パスポート原本、古い国外運転免許証を持っている場合はそれが必要だとされています。

タイは、警視庁が公開しているジュネーブ条約締約国等の一覧に載っています。日本で取った国外運転免許証がタイで通用するのは、そのためです。ただし同じ案内には、海外で運転する際に従来の運転免許証の提示を求められる場合があるとも書かれています。国外運転免許証は単独で成り立つ免許ではないので、日本の免許証も一緒に持って行ってください。

クレジットカードは本人名義でないと通らない

デビットカードや現金では代わりになりません。ハーツ・タイランドは利用条件で、デビットカード・現金・振込による支払いとデポジットの与信枠確保は、いかなる場合も受け付けないと書いています。エイビス・タイランドも、デビットカードで前払いした場合であっても、受取時には身分証と同じ名義のクレジットカードを別に提示する必要があるとしています。カード1枚で結べる契約は1件までという条件もあります。

押さえられる金額は会社と車種で違います。エイビス・タイランドの規約では車種や料金に応じて8,000バーツか15,000バーツ、ハーツ・タイランドの利用条件では全車種5,000バーツと書かれています。なおハーツ・タイランドのよくある質問には10,000バーツという記載もあるので、実際にいくら押さえられるかは予約画面と契約書で確かめてください。与信枠を押さえるだけの手続きで、損害や追加費用がなければ返却後に解除されるとも説明されています。

年齢には上限もある

下限だけでなく上限があるのが、日本のレンタカーとの違いです。ハーツ・タイランドは21歳から70歳まで、エイビス・タイランドは21歳以上65歳以下と規約に書いています。追加の運転者を立てる場合も、その人が同じ条件と書類を満たす必要があります。ハーツ・タイランドでは追加運転者1名までは無料で、受取当日に申し出て契約書に名前を入れてもらう形です。エイビス・タイランドは、契約書に名前のない人が運転して損害が出た場合、補償が自動的に外れると定めています。

日額だけでは終わらない

表示されている1日あたりの料金のほかに、規約で決められた費用がいくつも乗ります。両社が公式サイトに金額を出しているものを並べます。ハーツ・タイランドの金額は7%の付加価値税込みの表示です。改定されるものなので、予約の前に各社の公式ページで見直してください。

項目公式表示の金額出どころ
免責額をゼロにする補償(SCDW)小型214バーツ/中型321バーツ/大型535バーツ(1日)、1契約あたり上限6,420バーツハーツ・タイランド
盗難の補償(TP)小型53.5バーツ/中型64.2バーツ/大型107バーツ(1日)ハーツ・タイランド
人身傷害の補償(PAI)160.50バーツ(1日)ハーツ・タイランド
カーナビの貸出214バーツ(1日)、1契約あたり上限3,210バーツハーツ・タイランド
チャイルドシートの貸出321バーツ(1日)、1契約あたり上限3,210バーツハーツ・タイランド
金・土・日にかかる加算200バーツ(1日)ハーツ・タイランド
営業時間外の受取・返却535バーツ(1回)ハーツ・タイランド/エイビス・タイランド
予約内容の変更200バーツ(1回、2日前までに連絡)ハーツ・タイランド
借りた店以外への返却3〜4日の契約は距離に応じて加算、5日以上は無料ハーツ・タイランド

「1日」の数え方にも注意が要ります。両社とも1日は24時間です。ハーツ・タイランドは返却の遅れを59分まで認め、それを超えると受取店舗の日額が加算されると書いています。エイビス・タイランドは、予約時に決めた時間より遅く返した場合や営業時間外に返した場合には1日分が加算されるとしています。

燃料は満タンで受け取り、満タンで返すのが原則です。ハーツ・タイランドは、満タンで返さなかった場合に給油の手数料を請求すると明記しています。

そしてエイビス・タイランドの規約は、契約金額に損傷の費用・燃料・延長分・高速道路の通行料・交通違反の反則金は含まれないとはっきり書いています。通行料と反則金は借りた人の負担です。取消についても、受取の24時間前までなら前払い額の70%の返金、24時間を切ってからの取消と無連絡の不参加は返金なし、と定められています。

ぶつけたとき、どこまで守られるのか

ここがいちばん誤解の多いところです。エイビス・タイランドは補償の説明ページの最後に、これらは車の保険ではなく、契約書に名前のある借主の損害負担を軽くする商品であると書いています。自分で自動車保険に入るのとは別のものだ、という宣言です。

  • CDW(基本の免責軽減) — 借り賃に含まれます。ハーツ・タイランドの条件では、借主が負担する免責額は2,000バーツから最大10,000バーツ。エイビス・タイランドは、1件の損害につき8,000バーツか15,000バーツ(車種による)までに抑えるとしています。
  • SCDW(免責額をゼロにする追加補償) — 買い足すと車体の損害の自己負担が0バーツになります。ただしハーツ・タイランドは、盗難と紛失は対象外で、全損・紛失・盗難のときは30,000バーツを請求すると書いています。
  • TP(盗難の補償)とTW(タイヤの補償) — CDWにもSCDWにも含まれません。別立てです。
  • PAI(人身傷害の補償) — 運転者と同乗者の事故を対象にする追加商品です。

補償の切れ目もはっきり書かれています。エイビス・タイランドは、CDWとSCDWはタイヤ、ホイール、窓ガラス、車内の損傷、鍵の紛失、ナンバープレートの紛失、燃料の入れ間違い、レッカー費用には及ばないとしています。ハーツ・タイランドの基本補償も、対象は車体だけで、ガラス・タイヤ・車内・屋根・足回りは含まれないと書いています。舗装の穴や落下物でタイヤが傷むことは珍しくないので、タイヤが基本補償の外にあることは覚えておく価値があります。

もうひとつ大事なのは、事故のあとの動き方です。エイビス・タイランドは、損害や紛失を知ったらただちに会社へ連絡することを条件にしており、連絡を怠った場合、協力しない場合、虚偽の申告をした場合にはCDWもSCDWも適用されず、損害額の全額を負担すると規約に書いています。さらに、酒気を帯びての運転、冠水した道路への進入、通常の道路以外での走行、契約書に名前のない人への運転の委任があった場合も、補償が自動的に取り消されるとしています。

高速道路の料金はどう払うか

バンコク周辺の有料道路は、大きく2系統に分かれます。市内の高架を走る「ทางด่วน」はタイ高速道路公団(กทพ.)が、都市と都市を結ぶ「มอเตอร์เวย์」はタイ道路局(กรมทางหลวง)が運営しています。公団は公式サイトの通行料金のページで、チャルーム・マハーナコーン、シーラット、チャロンラット、ウドンラッタヤー、ブラパーウィティー、カーンチャナーピセーク、プラチムラッタヤーの7路線ぶんの料金表を公開しています。路線と区間ごとに金額が違うので、走る前にその路線の表を見るのが確実です。

払い方は道路局の案内に整理されています。都市間高速の通行料は、料金所で現金を払うか、M-Pass か Easy Pass のカードで払うかの2通りです。借りた車にこれらのカードが付いているとは限らないので、小額紙幣と小銭を用意しておくと詰まりません。

迷いやすいのが、遮断機のないM-Flowのレーンです。道路局の案内では、会員でなくても通行でき、7日以内に支払えばよいことになっていて、ナンバープレートで検索して支払う未登録者向けの窓口が用意されています。ただし借りた車のナンバーは自分の名義ではありません。うっかり通ってしまったら放置せず、レンタカー会社に申し出てください。問い合わせは道路局のコールセンター1586(メニューの1)です。

ガソリンはどれを入れるのか

タイのガソリンスタンドは油種の名前が日本と違います。PTT OR の公式価格ページには、ディーゼルB20、ディーゼル、ガソホールE20、ガソホール91、ガソホール95、ガソリン95、スーパーパワーGSH95、プレミアムディーゼル、スーパーパワーX99 が並んでいます。「ガソホール」はガソリンにエタノールを混ぜたもので、E20は混合率が高いぶん安く、対応していない車には入れられません。どれを入れるかは車ごとに決まっているので、受取のときにスタッフに確認し、給油口の表示も見てください。入れ間違いによる損害は、前述のとおり基本の補償の対象外です。

価格は同社の公式サイトで更新されています。バンコクとその周辺の表では、2026年8月19日05:00更新の行に、1リットルあたりガソホール95が37.69バーツ、ガソホール91が37.32バーツ、ガソホールE20が32.69バーツ、ディーゼルが38.39バーツ、ガソリン95が46.68バーツと表示されていました。同じページの注記により、地方税は含みません。県ごとの表も同じページから見られます。

運転手が付く借り方もある

「運転手付きのレンタカー」は、自分で運転する契約とは別の商品で、料金の数え方そのものが違います。エイビス・タイランドが公開しているリムジンサービスの条件を並べると、時間で数えることがよくわかります。

  • 1日単位の利用は10時間(6時から22時まで)。超過は1時間につき日額の10%
  • 宿泊をまたぐ場合は1泊900バーツ
  • 空港での出迎えは90分まで待機無料、以降は1時間600バーツで最大3時間
  • 空港以外での出迎えは30分まで待機無料、以降は1時間600バーツで最大2時間
  • 途中に立ち寄る場所を足すと1か所につき最低500バーツ
  • 事前予約のみで、全額の入金をもって確定。変更と取消は2日前までに連絡

自分で運転する契約が「24時間で1日」なのに対し、運転手付きは「10時間で1日」です。同じ「1日」でも中身が違うので、見積もりを比べるときはここを見てください。空港からの送迎、地点間の片道、1日の貸切という単位でも受け付けています。運転手だけを日単位・月単位で頼む窓口も公式サイトにあり、フォームから問い合わせる形になっています。

なお、リムジンサービスの条件には、会社が負うのは予約の手配までで、損害や負傷が生じた場合の請求は実際に運行した事業者に対して行うことになる、と書かれています。運転手付きは楽ですが、責任の所在は自分で運転する契約とは違う、ということです。

借りた車で困ったときの連絡先

まずレンタカー会社に連絡するのが原則です。前述のとおり、連絡を怠ると補償が外れます。そのうえで、公的な窓口は次のとおりです。

  • 1669 … 救急。タイ国立救急医療センター(สพฉ.)が公式サイトで「เจ็บป่วยฉุกเฉิน โทร.1669(急病は1669へ)」と案内しています。
  • 1155 … 観光警察。タイ観光警察本部の公式サイトが「สายด่วน 1155」として出しています。
  • 1586 … タイ道路局(กรมทางหลวง)のホットライン。公式サイトの連絡先欄に「สายด่วน: 1586」と記載があります。都市間高速やM-Flowの問い合わせもここです。
  • 1543 … タイ高速道路公団のコールセンター。公式サイトが「EXAT Call Center 1543」を高速道路の利用者向け情報センターとして案内しています。

車を借りずに動く手もある

バンコクの都心を回るだけなら、渋滞と駐車場を考えて鉄道を選ぶほうが速いことがよくあります。レンタカーが効くのは、鉄道の駅から離れた場所へ行くとき、荷物と人数が多いとき、そして一日に何か所も回るときです。都心の移動はバンコクのBTSとMRTの乗り方にまとめています。空港と市内のあいだはエアポートレールリンクで空港から街へが使えます。地方都市まで長い距離を動くならタイの鉄道で長い距離を移動するも選択肢になります。移動手段の記事は移動と交通の記事一覧から辿れます。

ここで引用した2社は、貸出条件と料金を公式サイトで公開しているために例として挙げました。どちらがよいという評価はしていません。実際に借りるときは、契約する会社の公式ページで、上に挙げた項目(年齢、書類、デポジット、免責額、補償の対象外、返却の時刻、燃料の扱い)を1つずつ確かめてください。

出典

このページの内容は 2026-08-31 に確認しました。料金・制度・営業情報は変わることがあります。