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バンコクで病院にかかる — 受診の流れ・日本語・費用

バンコクで体調を崩したとき、どこへ行き、何を持って、どう受付を通り、いくら払うのか。サミティベート病院スクンビット院を軸に、日本語窓口の時間、予約が要る科、入院1泊の公表料金、帰国後の請求に要る書類までを公式情報だけで整理しました。

この記事の要点

  • 受付にはパスポートと保険証券を出します。保険の用紙は受診のたびに記入と署名が要り、タイの現地保険を使うときは写真付き身分証の提示が法律で義務付けられていると病院が明記しています。
  • 一般外来は予約なしでも受診できます。ただし歯科、美容皮膚科、健康診断センター、レーザーやMRIなど医療機器を使う治療は完全予約制です。
  • 日本語が通じることと、日本語の窓口が開いていることは別です。サミティベート病院スクムビット院の日本人相談窓口の受付は毎日7時から20時で、診療そのものは24時間です。
  • 入院の部屋代は公表されています。バムルンラード病院の1泊の合計は2人部屋で10,600バーツ、シングルルームで14,700バーツ。この合計に入るのは部屋・食事・看護までで、診察料や検査、薬は別に積み上がります。
  • 帰国後の保険請求に使う診断書や明細書は、原本が郵送されず来院しての受け取りになります。受診したその日のうちに申請してください。

旅行中でも駐在でも、熱が出たり腹を下したりすれば病院に行くことになります。バンコクの病院は日本と手順がよく似ていますが、受付でパスポートを出すこと、会計が診察のたびに発生すること、保険の書類をその場で書くことの3点が違います。このページは、どこへ行き、何を持って、どう受付を通り、いくら払うのかを、病院と公的機関が自分で公表している情報だけで並べたものです。どの病院が良いかという評価は扱いません。

私立の病院と、公的な制度は別のものです

バンコクで日本語や英語の通じる大きな病院は、いずれも私立です。サミティベート病院、バムルンラード病院、BNH病院などがこれにあたり、料金は各院が決めて公表しています。24時間開いていて、予約なしでも一般外来にかかれるのが共通点です。

一方、タイには国民医療保障事務局(สำนักงานหลักประกันสุขภาพแห่งชาติ、略称 สปสช./NHSO)が運営する公的な医療制度があります。同事務局の公式サイトは「30 บาทรักษาทุกที่(30バーツでどこでも治療)」を前面に出しており、権利の登録、対象となる医療機関の検索、自分の権利の確認といった窓口を用意しています。事務局の所在地はバンコクのラクシー区、代表番号は 02-141-4000 です。自分がこの制度の対象になるかどうかは制度側の要件で決まるので、思い込みで判断せず、同事務局の権利確認の窓口で確かめてください

つまり、外国人がバンコクで体調を崩したときに実際に向き合うのは、多くの場合「私立病院の公表料金」と「自分が入っている保険」の組み合わせです。制度の側の話はタイの医療保険、入る前に知っておくことにまとめています。

サミティベート病院スクンビット院はどこにあるか

日本人の受診がとくに多いのが、スクンビット通りのソイ49にあるサミティベート病院です。日本語表記は資料によって「サミティベート」「サミティヴェート」と揺れ、地名も「スクンビット」「スクムビット」の両方が使われます。タイ語ではどれも同じ สุขุมวิท(スクンウィット)で、病院の日本語公式サイトは「スクムビット院」と書いています。

項目公式サイトの表示
住所133 Sukhumvit 49, Klongtan Nua, Vadhana, Bangkok 10110
電話02-022-2222
診療時間年中無休・24時間(日本語対応)
日本人相談窓口毎日7時〜20時
最寄り駅BTSトンロー駅・BTSプロンポン駅から車で5〜15分
空港からスワンナプーム/ドンムアンとも車で45分〜1時間30分

スクンビット通りは何キロも続く大通りなので、「スクンビットの病院」と言っても場所は一つに決まりません。サミティベート病院はソイ49、バムルンラード病院は同じスクンビット通りのソイ3(ナナ・ヌア)で、公式サイトが示す住所は「33 Sukhumvit 3 (Soi Nana Nua), Wattana, Bangkok 10110」です。BNH病院はスクンビットではなくシーロムのコンベント通り「9/1 Convent Road, Silom, Bang Rak, Bangkok 10500」にあります。行き先を人に伝えるときは、通り名だけでなくソイの番号まで言うと間違いが減ります。

病院の規模

サミティベート病院スクムビット院の公式サイトは、自院の規模を次のように公表しています。1979年6月4日の開設、敷地面積94,000平方メートル、病床305床、登録医師約700人、看護師約400人。集中治療の内訳はICUが55床、NICUが9床、中間NICUが10床です。年間の外来患者は約79万6,000人で、その内訳は「タイ60%、日本20%、その他20%」。日本人の外来受診は年間約15万人、日本人の入院は年間約3,000人、海外から受け入れた患者は63,000人、救急搬送は840件と示されています。

無料のシャトルバンがあります

病院が公式サイトで案内している無料シャトルバンは3系統です。運行時刻は公式ページの表記のとおりで、予約の要否は書かれていません。

  • エムクオーティエ・エンポリアム経由 — エムクオーティエ、エンポリアムタワー、病院を結びます。8:00〜18:15(最終便)、約45分間隔。土日も同じ時刻です。
  • パークレーン・エカマイ経由 — パークレーン駐車場、トンロー郵便局のフジスーパー4号店、BTSトンロー駅、病院を結びます。8:00〜17:00、1時間間隔。土日も同じ時刻です。
  • ドンキモール・トンロー発 — 9:30〜17:30、おおよそ30分間隔。ただし13:30〜14:30は運行がなく、木曜日は運休です。

公式ページには「金曜の午後、土日の昼から午後の病院行きの運行時間に遅れが見られます」という注意も添えられています。予約時刻に間に合わせたいときは、シャトル頼みにしない余裕を見ておくのが安全です。

受付から会計までの流れ

サミティベート病院スクムビット院が日本語公式サイトで示している、18歳以上の外来受診の手順です。日本の病院との一番の違いは、診察の前に保険の書類を書くことと、会計を済ませてから薬を受け取ることです。

  1. 本館1階、中庭近くの日本人相談窓口へ行きます。
  2. 患者登録と保険申請の用紙に記入します。オンラインで事前登録を済ませている場合は署名だけです。
  3. 症状を日本語で説明します。
  4. 案内された診療科の窓口へ移動します。
  5. 診察券と予約票を受付に出します。
  6. バイタルチェック(脈拍、呼吸、体温、血圧)を受けます。
  7. 医師の診察を受けます。
  8. 必要があれば検査を受けます。
  9. 医師から診断と治療方針の説明を受けます。
  10. 最寄りの会計カウンターで清算します。
  11. 薬局で処方薬を受け取ります。

保険の用紙について、公式サイトは「受診ごとに毎回記入・署名が必要」とはっきり書いています。前回書いたから今回は要らない、とはなりません。

持って行くもの

  • パスポート — 本人確認に使います。
  • 保険証券または保険カード — 公式サイトは「毎回携行必須」としています。コピーでも構いません。
  • 英文の資料 — 他院の診断書がある場合や、タイ国外からの継続治療の場合は英文の診断書が要ると案内されています。
  • タイの住所を書いたメモと所属先の情報 — 保険のページで携行が勧められています。

タイの現地保険を使うときは、写真付きの身分証明書(パスポートまたはタイの運転免許証)の提示が法律によって義務付けられていると病院側が明記しています。財布に入れておくのではなく、受付で出せるようにしておいてください。

予約が要る科と、要らない科

公式の外来案内によると、一般外来は予約なしでも受診できます。ただし待ち時間が長くなる可能性があるとも書かれています。一方で、次の診療は完全予約制です。

  • 歯科
  • 美容皮膚科(SEI)
  • 健康診断センター
  • レーザーやMRIなど、医療機器を使う治療

診療は年中無休で、7時から22時が一般外来、夜間は救急外来という区分です。休診日はありません。診療科は内科、呼吸器内科、心療内科、外科、消化器科、循環器科、整形外科、眼科、耳鼻咽喉科、産婦人科、小児科、皮膚科、歯科などがそろっています。

日本語はどこまで通じるか

「日本語が通じる」と一口に言っても、24時間その体制なのか、決まった時間帯だけなのかで、体調を崩した夜の心細さがまるで違います。各院が公表している内容を並べます。

  • サミティベート病院スクムビット院 — 日本語通訳が約70人在籍し、24時間年中無休で対応すると日本語公式サイトが説明しています。ただし日本人相談窓口そのものの受付は毎日7時〜20時と、外来案内のページに書かれています。
  • サミティベート病院(英語公式サイトの案内) — 日本語、韓国語、ビルマ語、英語、中国語、アラビア語、インドネシア語、ロシア語などの通訳を無料で用意しているとしています。ただし通常の診療時間内が対象で、時間外に手配する場合は追加の費用がかかると明記されています。
  • バムルンラード病院 — 「Cultural Support Officers」として日本語を含む18言語に対応し、さらに要請に応じて別の言語も手配すると公式サイトが説明しています。カルチャー・ヘルプデスクの受付は8:00〜18:00、場所はBIクリニック棟10階(スカイロビー)です。
  • BNH病院 — 公式サイトが対応言語として英語、タイ語、中国語、日本語、ミャンマー語、インドネシア語を挙げています。1898年の開設で、同院は自らを「タイで最初の国際的な私立病院」と説明しています。

つまり「日本語が通じる」と「日本語の窓口が開いている」は別の話です。夜間や早朝に行くつもりなら、電話をかける段階で日本語の担当につながるかを確かめてから出発してください。

いくらかかるか

タイの通貨はバーツ(THB)で、病院の料金表もバーツ表示です。外来の診察料は科と担当医によって変わり、検査や薬は別勘定になるため、公表された一律の金額はありません。金額の見当がつきやすいのは入院の部屋代です。

バムルンラード病院は入院1泊あたりの料金を公式サイトで公表しています(料金表には「Effective January 1, 2026」と記載)。部屋代と、看護・食事を含むサービス料が分かれて示され、合計が1泊の総額です。

部屋の種類部屋代サービス料・食事1泊の合計
2人部屋4,020バーツ6,580バーツ10,600バーツ
シングルルーム6,750バーツ7,950バーツ14,700バーツ
デラックスルーム9,940バーツ8,260バーツ18,200バーツ
スーパーデラックス12,880バーツ8,320バーツ21,200バーツ
VIPスイート21,260バーツ10,840バーツ32,100バーツ
プレミアスイート21,340バーツ12,460バーツ33,800バーツ

公式サイトは「Daily room, meal and nursing service charge per day will be included in total charge」と説明しています。この合計に入っているのは部屋・食事・看護までで、医師の診察料、検査、手術、薬は別に積み上がります。入院が数日に及べば、部屋代だけでも数万バーツになる計算です。金額は改定されるので、行く前に各院の公式ページで見直してください。

支払いと保険の扱い

保険会社と病院のあいだで直接精算する「キャッシュレス」が使えるかどうかで、窓口で出す金額がまるで変わります。サミティベート病院が公式サイトで示している条件は次のとおりです。

  • 保険証券の有効期限の確認が必須。期限切れや契約更新中の場合は「キャッシュレスサービスはご利用になれません」と明記されています。
  • キャッシュレスの対象外になる診療がある。健康診断・予防接種、歯科疾病、妊娠・出産関連、鍼灸やカイロプラクティック、むち打ち症や他覚症状のない腰痛は直接払いになるとされています。
  • クレジットカード付帯の保険はギャランティーレター(支払保証書)が要る。受診前にカード会社へ連絡し、病院がその到着を確認してはじめてキャッシュレスの扱いになります。

歯の治療がキャッシュレスの対象外に挙がっている点は、覚えておいて損がありません。歯科の費用の考え方はバンコクで歯医者にかかる — 費用・保険・受診の流れで扱っています。

帰国後の請求に要る書類は、その場で頼みます

日本の健康保険や日本の保険会社に請求するには、病院が発行する書類が要ります。サミティベート病院はウェブの専用フォームで申請を受け付けており、申請できる書類として次を挙げています。

  • 診断書(Medical Certificate)
  • 日本の社会保険・国民健康保険のフォーム
  • 日本の保険会社の医療保険請求フォーム
  • 明細書(Bill Statement)
  • X線・MRI・CTの画像
  • 受診履歴(Medical Record/有料)

申請には同意書のPDFと、患者本人のパスポート顔写真ページのコピーに青ペンで署名したものが必要です。代理人が申請する場合は、これに委任状と代理人のパスポートが加わります。そして重要なのが受け取り方で、公式サイトは「原本の郵送は行っておりませんので、ご来院のうえお受け取りください」としています。帰国してから思い出しても取りに行けません。窓口の受付は毎日7時〜20時です。滞在中に受け取れるよう、受診したその日のうちに申請してください。

急に具合が悪くなったとき

タイの救急番号は1669です。タイ国立救急医療センター(สพฉ.)が公式サイトで案内しており、同センターの代表番号は 0-2872-1600 です。同センターは「ศูนย์ประสานคุ้มครองสิทธิผู้ป่วยฉุกเฉินวิกฤต(重篤な救急患者の権利保護を調整するセンター、UCEP)」も置いており、その連絡先は 02-872-1669 で24時間対応と示されています。

病院に直接かける場合の番号も、各院が公表しています。

  • サミティベート病院スクムビット院 — 02-022-2222(年中無休・24時間)
  • バムルンラード病院 — タイ国内からの救急ホットラインが 1378(24時間)、代表番号が +66 2066 8888(24時間)
  • バムルンラード病院の救急車 — +66 2011 5222

サミティベート病院は、スワンナプーム空港に自院の救急車を配備しており、空港から病院まで直接搬送できると公式サイトで説明しています。飛行機を降りた時点で具合が悪い、という状況にも道はあるということです。

費用の面では、日本の公的医療保険の海外療養費は、日本国内で同じ治療をした場合の料金を基準に計算されます。サミティベート病院の保険ページも「日本の保険診療料金を基準に計算されるため、実費の7割とは限らない」と説明しています。差額は自分で負担することになるので、海外旅行保険や現地の医療保険で埋めるのが現実的です。

歯の治療を病院で受けるとき

大きな私立病院には歯科もあります。サミティベート病院の歯科は電話予約制で、詰め物、虫歯の治療、歯科検診、クリーニングなどを扱い、詰め物の材質としてコンポジットレジン、銀歯、金歯、セラミック、ジルコニアが挙げられています。保存修復の専門医が対応し、根管治療は専門医へつなぐ体制です。強い痛みがあるときは日本人相談窓口に電話して当日の診療を相談できる、とも書かれています。

ただし前述のとおり、歯科疾病はキャッシュレスの対象外に挙げられています。歯医者そのものの選び方や費用の相場はバンコクで歯医者にかかる — 費用・保険・受診の流れのほうが詳しいので、そちらを見てください。

健康診断や人間ドックを受けるなら

駐在の人が定期的に使うのが健康診断です。サミティベート病院スクムビット院の「日本人健康診断センター」は日本人医療センタービルの2階にあり、予約の受付は毎日朝7時〜9時、メールフォームで受け付けています。公式サイトによると、年間で約6,000人の日本人が受診し、約200社の日系企業と法人契約があります。オプションとして胃カメラ・大腸カメラ(内視鏡)と脳ドックが挙げられています。健康診断センターは完全予約制なので、当日ふらりと行っても受けられません。

美容や皮膚のクリニックは、病院とは別に考えます

美容皮膚科は病院の中にもありますが(サミティベート病院ではSEIとして完全予約制)、街なかの専門クリニックのほうが選択肢は多くなります。ここは治療というより買い物に近い領域で、価格も仕上がりも店ごとに差が出ます。点をつけて比べる面は別に用意してあるので、実際に受けた人の評価を見たいときはバンコクの美容クリニックの口コミと評価のほうを見てください。事業者が公表している条件(施術の種類・エリア・日本語対応)で並べて比べたいときは、バンコクの美容整形・皮膚科クリニックを比べるのほうです(この面には、上で触れたバムルンラード病院とサミティベート病院も入っています)。この記事は「知る」ための面なので、店を選ばせることはしません。

体を休めることと、病院にかかることは別です

肩や腰がつらいとき、まずマッサージに行こうと考えるのは自然です。ただしマッサージやサウナは治療ではありません。しびれがある、力が入らない、熱がある、押すと激しく痛む、といった状態のときは、施術を受ける前に医師に診てもらうほうが順序として安全です。受けられない体調の見分け方はバンコクでマッサージを受ける 予約・料金・受けられない体調に、温浴施設での体調の崩し方についてはバンコクのサウナ、入る前に知っておくことにまとめています。

出かける前に確かめる4つ

  1. 行く科は予約が要るか — 一般外来は予約なしで行けますが、歯科・美容皮膚科・健康診断・機器を使う治療は完全予約制です。
  2. その時間に日本語の窓口が開いているか — サミティベート病院の日本人相談窓口は毎日7時〜20時です。
  3. 保険証券とパスポートを持ったか — 保険の用紙は受診のたびに書きます。現地保険を使うなら写真付き身分証の提示が義務です。
  4. 帰国後に要る書類を、その日に申請したか — 原本は郵送されず、来院しての受け取りです。

ここに挙げた金額や時間は、いずれも各病院・各機関が公式サイトで表示しているものです。改定されることがあるので、実際に行く前にそれぞれの公式ページで見直してください。体と健康にまつわる記事は体と健康の記事一覧から辿れます。

出典

このページの内容は 2026-09-04 に確認しました。料金・制度・営業情報は変わることがあります。