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タイの仏像、姿の意味と持ち帰りの決まり

タイの仏像は姿ごとに場面が決まっていて、生まれた曜日ごとの仏像もあります。姿の見分け方、バンコクで実物を見られる場所と料金、お参りの服装、そして買った仏像を国外へ持ち出すときに要る許可と手数料までを、タイ政府と寺の公式情報だけで整理しました。

この記事の要点

  • タイの仏像は座り方や手の位置が一体ごとに違い、それぞれ釈迦の生涯の別の場面を表しています。釈迦その人の似姿ではなく徳を表したものだと芸術局は説明しています。
  • 拝む仏像は生まれた曜日で決まっていて、水曜が昼と夜に分かれるので全部で8通りです。生まれた曜日が分からない人のための姿も用意されています。
  • ワット・ポーの寝仏は全長46メートルで、公式サイトによると拝観は毎日8時から19時30分まで、外国人の拝観券は300バーツです。王宮とワット・プラケオは外国人500バーツです。
  • 寺や王宮は服装を決めていて、袖の無いシャツ、丈の短いトップス、短いパンツでは入れません。そばで写真を撮ることは認められていますが、仏像によじ登ることは禁じられています。
  • 買った仏像はタイから自由に持ち出せません。芸術局の許可が要り、申請書と写真をそろえて現物を持ち込み検査を受けます。手数料は仏像1体につき100〜300バーツ、所要はおおむね1〜2営業日です。

場所

ワット・ポー(ワット・プラチェートゥポン)

วัดพระเชตุพนวิมลมังคลารามราชวรมหาวิหาร / Wat Pho (Wat Phra Chetuphon)

Chetuphon Rd, Phra Borom Maha Ratchawang, Phra Nakhon, Bangkok 10200

MRTサナームチャイ駅から直線で約300m

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Google マップで開く(緯度 13.7463456 / 経度 100.4927381)

王宮(ザ・グランドパレス)とワット・プラケオ

พระบรมมหาราชวัง / วัดพระศรีรัตนศาสดาราม / The Grand Palace and Wat Phra Kaew (Temple of the Emerald Buddha)

Na Phra Lan Rd, Phra Borom Maha Ratchawang, Phra Nakhon, Bangkok 10200

MRTサナームチャイ駅から直線で約650m

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バンコク国立博物館

พิพิธภัณฑสถานแห่งชาติ พระนคร / Bangkok National Museum

Na Phra That Rd, Phra Borom Maha Ratchawang, Phra Nakhon, Bangkok 10200

MRTサナームチャイ駅から直線で約1.6km

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国立博物館事務局(芸術局の新庁舎)

สำนักพิพิธภัณฑสถานแห่งชาติ กรมศิลปากร (อาคารกรมศิลปากรใหม่) / Office of National Museums, Fine Arts Department

81/1 Si Ayutthaya Rd, Thewet, Wachira Phayaban, Dusit, Bangkok 10300

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Google マップで開く(緯度 13.7721095 / 経度 100.504132)

タイの街を歩くと、寺だけでなく、店の奥にも、車の運転席にも、市場の柱の上にも仏像が置かれています。数が多いだけでなく、座り方・立ち方・手の位置が一体ごとに違うのが、日本の仏像を見慣れた目には不思議に映ります。あれは造形の好みではなく、それぞれが釈迦の生涯の別々の場面を表しているからです。

このページでは、姿の意味、生まれた曜日ごとに仏像が決まっている習わし、バンコクで実物を見られる場所と料金、お参りするときの身なり、そして買った仏像を国外へ持ち出すときに必要な手続きまでを、タイ政府の官庁と寺が自分で公開している情報だけをもとに整理しました。どの店で買うのがよいかという話は扱いません。

仏像は何のために造られているのか

芸術局(文化省の一部局で、国立博物館と文化財を所管しています)は、仏像を造る考え方について、釈迦その人の似姿を作ろうとしたものではないと説明しています。表しているのは釈迦の徳であり、それを次の3つに整理しています。

  • มหากรุณาธิคุณ … すべての生き物に向けられた大きな慈しみ
  • พระวิสุทธิคุณ … 心の清らかさ
  • พระปัญญาธิคุณ … 智慧

同じ局の説明によれば、だからこそ仏像の顔立ちや体つきは写実ではなく、その時代ごとの美意識で理想化された形になります。時代が変われば顔が変わるのは、腕が落ちたからでも上がったからでもなく、初めからそういう性格のものだということです。国と宗教を並べて重んじる考え方はタイの国旗、赤・白・青が意味するものにも出てきます。

生まれた曜日ごとに仏像が決まっている

タイでは「自分の仏像」が生まれた曜日で決まります。芸術局チャンタラカセーム国立博物館の解説は、この習わしを仏教の教えと星まわりの考え方が組み合わさったものと説明しています。生まれたときに星がどの位置にあったかで人生のめぐりが変わる、という見方が下地にあります。

同じ解説が挙げている対応は次のとおりです。水曜だけ昼と夜に分かれ、全部で8通りになります。

生まれた曜日仏像の姿(タイ語)どんな姿か
日曜ปางถวายเนตร立って両手を前で重ね、菩提樹を見つめる場面の姿
月曜ปางห้ามญาติ/ปางห้ามสมุทร立って手を上げ、押しとどめる姿
火曜ปางไสยาสน์/ปางปรินิพพาน横たわる姿
水曜(昼)ปางอุ้มบาตร立って鉢を抱え、托鉢する姿
水曜(夜)ปางป่าเลไลยก์座って片手を伏せる、森での場面の姿
木曜ปางสมาธิ座って両手を重ねる瞑想の姿
金曜ปางรำพึง立って両腕を胸の前で組む姿
土曜ปางนาคปรก七つの頭を持つ蛇に覆われて座る姿

タイの人に生まれた曜日を聞かれることがありますが、これは世間話ではなく、この仏像の話につながっています。自分の生まれた曜日を調べておくと、寺で並んでいる仏像のどれに花や線香を供えればよいかが分かります。

生まれた曜日が分からないとき

芸術局が曜日ごとの仏像を特別公開したときの案内には、自分の生まれた曜日を知らない人のための仏像も挙がっています。ปางสมาธิเพชร(足を深く組んで座る瞑想の姿)がそれで、同じ案内は「文献によってはปางมารวิชัยとするものもある」とも書いています。曜日が分からないから供える相手がいない、ということにはなりません。

姿を見れば場面が分かる

曜日と結びついていない姿もたくさんあります。ここでは、タイの寺で目にする機会が多く、かつ芸術局が個別に解説を出している3つを取り上げます。

座って右手を地面に向けている姿

ปางมารวิชัย(マーラを退ける姿)です。芸術局第10地区事務所の解説によると、右手を膝の上に置いて指先を地面に向け、両足を組む形をとります。表しているのは、悟りを開く直前にマーラの軍勢を退けた場面で、地面に向けた指は、自分が積んだ功徳の証人として大地を呼ぶしぐさだと説明されています。

横たわっている姿

ปางไสยาสน์です。上の表のとおり火曜生まれの仏像でもあり、バンコクではワット・ポーの巨大な寝仏がよく知られています。寸法や由来は次の章にまとめました。

歩いている姿

ปางลีลา(歩く姿)は、タイの仏像のなかでも独特です。芸術局ラームカムヘーン国立博物館が解説している一体はスコータイの様式で、真鍮を鋳造して金箔を貼ったもの。左足を前に踏み出し、右のかかとをわずかに浮かせ、左手を上げ、右腕は自然に垂らします。顔は卵形で、細く伏せた目、弓なりの眉、小さく渦を巻いた髪、そして頭の上に炎の形をした飾りが立ちます。

この姿が表しているのは、釈迦が母に説法するため天界に上り、そこから地上へ降りてくる場面です。同館の解説は、階段や随伴する神々を彫らず釈迦だけを浮かせて表すところに、この様式の特徴があるとしています。制作年代は仏暦19〜20世紀とされています。

バンコクで実物を見る

ワット・ポーの寝仏

ワット・ポーの公式サイトは、境内の主な仏像として8体を挙げています。そのうち最もよく知られているのがพระพุทธไสยาส(寝仏)で、同サイトが記す寸法は次のとおりです。

  • 全長 … 46メートル
  • 地面から頭上の炎形の飾りまで … 15メートル
  • 顔 … 幅5メートル、高さ2.5メートル
  • 足の裏 … 長さ5メートル、高さ3メートル

造りはレンガと漆喰で、その上に金箔を貼っています。足の裏には螺鈿で108の吉祥文様が描き込まれていて、水を入れる器、二匹の魚、結び目、山といった図柄が並びます。造らせたのはラーマ3世で、同サイトは寺の大修理の際、境内にほかの姿はそろっているのに横たわる姿だけが無いことに気づいたのがきっかけだったと伝えています。年代は仏暦2375年(西暦1832年)ごろ。バンコクでは最も大きい寝仏で、タイ全体では3番目だとしています。

拝観について、同じ公式サイトは毎日8時から19時30分まで開いていること、外国人の拝観券は1人300バーツであることを記しています。

王宮とエメラルド仏

王宮(ザ・グランドパレス)の敷地内にワット・プラケオ(エメラルド仏の寺)があります。王宮の公式サイトによれば、入場料は外国人500バーツで、これにはワット・プラケオとシリキット王妃織物博物館の入場が含まれます。タイ国籍の人は身分証を見せれば無料です。公式のよくある質問には、身長120センチ未満の子どもは無料、音声ガイドは8か国語で200バーツ(借りるときにパスポートかクレジットカードが要る)、オンラインの前売り券は訪問日の1か月前から買えて払い戻しや変更はできない、と書かれています。

チケットの販売時間は公式サイトが8時30分から15時30分としています。閉場の時刻はページによって書き方が違うので、行く前に公式サイトで確かめてください。

エメラルド仏には季節ごとの衣があります。タイ首相府広報局の解説によれば、衣替えは年に3回、タイの太陰暦で決まった日に行われます。夏の衣が第4月の下弦1日目、雨季の衣が第8月の下弦1日目、冬の衣が第12月の下弦1日目です。夏と雨季の衣を造らせたのはラーマ1世、冬の衣を加えたのはラーマ2世で、今使われている3組は王宮局・財務省国庫局などが新たに造ったものだと同局は記しています。そして、この衣替えはチャクリー王朝の歴代の国王がみずから執り行う儀式です。エメラルド仏がこの都にとってどれだけ中心的な存在かは、バンコクの正式名称は何と言うのかを読むとよく分かります。

時代ごとの違いをまとめて見るなら国立博物館

ひとつの寺では、その寺が持っている仏像しか見られません。時代や地域で顔つきがどう変わるのかをまとめて見たいなら、バンコク国立博物館が近道です。芸術局のスマートミュージアムが公開している案内では、入館料はタイ国籍30バーツ、外国人200バーツ。バンコク国立博物館・王室御座船博物館・国立美術館の3館に入れる共通券は、タイ国籍60バーツ、外国人350バーツです。制服姿の学生と、僧侶をはじめとする各宗教の聖職者は無料と書かれています。

開館は水曜から日曜で、月曜と火曜は休みです。開館時刻については、同じ芸術局のページでも8時30分と9時の2通りの書き方があるので、当日の朝に公式サイトで確かめるのが確実です。所在地はプラナコーン区ナープラタート通り、連絡先は 02-224-1333 です。

芸術局が「見逃せない10点」として挙げているもののなかにも仏像が入っています。プッタイサワン堂のพระพุทธสิหิงค์(スコータイとランナーの様式をもつ青銅の仏像)、ドヴァーラヴァティー期の初転法輪の姿の仏像、蓮の台座が特徴的なランナー様式の座像などです。

お参りするときの身なりと振る舞い

服装の決まりは寺や施設が自分で公開しています。王宮の公式サイトが入場できない服装として名指ししているのは、袖の無いシャツ、ベスト、丈の短いトップス、透ける生地のトップス、短いホットパンツ、それに破れたパンツ、体に張り付くパンツ、サイクリング用のパンツ、ミニスカート、部屋着です。ワット・ポーの公式サイトも「きちんとした服装」を求めていて、女性は膝より上の短いパンツを禁じています。

そのうえで、ワット・ポーの案内には仏像そのものの扱いについての決まりも書かれています。

  • 仏塔や堂に入る前に靴を脱ぐ。階段のわきの決められた場所に置く。
  • 記念にそばで写真を撮ることは認められている
  • 仏像の上に乗ったり、よじ登ったりしない。手入れや供養にあたる担当者だけが例外。
  • 女性は僧侶や見習い僧に触れない。戒律に反するため。

大きな仏像の前で並んで記念写真を撮る人は多く、それ自体は止められていません。線を越えるのは、仏像を足場や背もたれのように扱ったときです。寺に行く日の服装をどう組み立てるかは、タイの民族衣装と、着ていく場面もあわせて読んでください。

買った仏像を国外へ持ち出すとき

ここがいちばん見落とされます。タイでは仏像は自由に持ち出せる品物ではありません。 タイ税関が公開している品目の一覧では、仏像・美術品・古美術品は「Restricted Goods(法律で輸出入が制限され、関係官庁の許可が要る品物)」に区分され、所管する官庁は芸術局とはっきり書かれています。買ったときのレシートがあるかどうかとは別の話で、旅行者が自分で持ち帰る場合も、郵送や宅配で送る場合も同じ枠に入ります。

根拠になっている法律

芸術局の説明によると、手続きの根拠は仏暦2504年の古代遺跡・古美術品・美術品および国立博物館に関する法律と、その下の省令です。許可を出すのは芸術局長で、実物を見て判断する審査の委員会がつきます。

どこで、どう申し込むのか

芸術局の案内は、申請の窓口を国立博物館事務局(バンコク・シーアユタヤ通り 81/1)としています。同じ案内が示している流れは次のとおりです。

  1. 所定の申請書(ศก.๖)に記入する。
  2. 芸術局長あてに、目的・持ち出す先・期間を書いた文書を添える。
  3. 手荷物で持ち出すならパスポートの写し、送るなら身分証の写しを添える。
  4. 信頼できる機関からの推薦の文書を添える。寺が出す場合は寺から局長あての文書と僧籍を示す書類、公務員が出す場合は本人の身分証の表裏の写しが要る。
  5. 正面から撮った同じ写真を1体につき2枚添える(大きさの指定があります)。
  6. 現物を持ち込んで検査を受ける。 案内は検査の時刻を午前10時と午後2時としています。

所要はおおむね1〜2営業日、問い合わせ先は 0-2628-5033 と同じ案内に書かれています。当日に空港で何とかなる性質の手続きではないので、買う時点で日程に組み込んでおいてください。

手数料

芸術局の案内が示しているラタナコーシン期のものの手数料は次のとおりです。大きさは高さで区切られています。

区分大きさ手数料(1体あたり)
仏像100センチ超300バーツ
仏像50〜100センチ200バーツ
仏像50センチ未満100バーツ
その他の美術品100センチ超200バーツ
その他の美術品50〜100センチ100バーツ
その他の美術品50センチ未満50バーツ

手数料そのものは高くありません。負担になるのは書類と、現物を持ち込む往復の手間のほうです。なお、古い時代のものと判断されると手数料の区分が変わります。自分の買ったものがどの区分に当たるかは、持ち込んだ現物を見て芸術局が判断します。先に自己判断で梱包して送らないでください。

確かめてから動く

このページに書いた金額・時刻・手続きは、タイの官庁と寺が公開している情報を2026-08-31に読んで整理したものです。入場料も手数料も改定されますし、開館日は祝日の扱いで変わります。行く前に、それぞれの公式サイトで数字を見直してください。手続きの可否など判断がいる話は、芸術局に直接聞くのがいちばん早い方法です。

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出典

このページの内容は 2026-08-31 に確認しました。料金・制度・営業情報は変わることがあります。