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タイの気候と、いつ行くのがいいか

バンコクの月平均気温は年間で3.4℃しか動かず、変わるのは雨です。月ごとの気温・降水量・雨の日数・湿度・日の出と日の入りを公式データで並べ、行き先ごとに雨の少ない月が違うことまで整理しました。

この記事の要点

  • タイの時期は気温ではなく雨で決めます。バンコクの月平均気温は最も低い月と高い月で3.4℃しか違わないのに、月降水量は25倍ちがいます。
  • バンコクと中部で雨を避けたいなら12月から2月です。雨の降る日は月1〜2日、月降水量も13.5〜24.2mmにとどまります。
  • 行き先が変わると乾く月も変わります。タイランド湾側のソンクラーは11月が593.8mmで年間の最多で、バンコクが乾期に入る11月・12月にいちばん濡れます。
  • 暑さの底は12月から1月で、月平均気温は27.4〜27.6℃です。それでも日中の最高気温は31〜32℃あるので、涼しいわけではありません。
  • 日の入りは一年で最も遅い7月でも18時50分どまりです。19時ならまだ明るいという日本の感覚で夕方の予定を組むと外します。

タイの旅行時期を「暑いか涼しいか」で決めようとすると、たいてい失敗します。バンコクの月平均気温は、いちばん低い月といちばん高い月の差が3.4℃しかありません。年間で大きく動くのは気温ではなくで、月降水量は最少の月と最多の月で25倍ちがいます。しかも雨の多い月は、バンコク・チェンマイ・プーケット・タイランド湾側でそれぞれ別です。このページは、公式に公表されている数字だけを並べて、自分の行き先と目的から月を決められるようにしたものです。旅行会社やホテルを選ぶ話は扱いません。

バンコクの月ごとの気温と雨

気象庁が公表している世界の地点別平年値から、バンコク(北緯13.73度・東経100.56度・標高3m)の数字です。

月平均気温月降水量
1月27.6℃24.2mm
2月28.7℃19.4mm
3月29.8℃53.6mm
4月30.8℃92.7mm
5月30.5℃215.4mm
6月29.8℃209.9mm
7月29.3℃182.9mm
8月29.1℃212.0mm
9月28.7℃343.6mm
10月28.5℃304.0mm
11月28.4℃46.5mm
12月27.4℃13.5mm

気温がいちばん低いのは12月の27.4℃、いちばん高いのは4月の30.8℃です。差は3.4℃で、日本のように「冬服が要る月」はありません。いっぽう降水量は12月の13.5mmに対して9月は343.6mm、25倍あります。12か月を足すと約1,718mmになりますが、その大半が5月から10月に集中しています。

暑くなる時間帯と、雨が降る日数

月平均気温だけだと、日中どこまで上がるのかが分かりません。世界気象機関(WMO)の世界気象情報サービスが、タイ気象局から提供を受けたバンコクの平年値を公開しています。こちらは1961年から1990年の統計なので、上の気象庁の表とは期間が違い、数値はぴったり揃いません。傾向を読むために使ってください。「雨の日」は1日の降水量が1mm以上あった日です。

日最高気温日最低気温雨の降る日数
1月32.0℃21.0℃1日
2月32.7℃23.3℃2日
3月33.7℃24.9℃2日
4月34.9℃26.1℃4日
5月34.0℃25.6℃13日
6月33.1℃25.4℃12日
7月32.7℃25.0℃13日
8月32.5℃24.9℃15日
9月32.3℃24.6℃18日
10月32.0℃24.3℃14日
11月31.6℃23.1℃5日
12月31.3℃20.8℃1日

読みどころは2つあります。ひとつは、日中の最高気温は年間を通して31〜35℃の幅に収まること。もうひとつは、12月と1月は雨の降る日が月に1日しかないのに対し、9月は18日あることです。「日程のうち何日が雨でつぶれるか」で見ると、季節の差は気温よりずっとはっきり出ます。

湿度は年間でどう動くか

湿度は、同じ気温でも体感を大きく変えます。NASAが公開している地点別の気候値(2001年1月から2020年12月の20年平均、地上2mの相対湿度)で、バンコクとチェンマイを並べました。地上観測そのものではなく、観測データを取り込んだ推計値です。

バンコクチェンマイ
1月64.0%67.2%
2月60.5%56.0%
3月62.2%51.7%
4月66.4%55.8%
5月75.5%74.8%
6月80.2%80.8%
7月81.0%83.4%
8月81.8%87.4%
9月85.2%88.9%
10月84.7%87.0%
11月80.2%81.7%
12月70.9%75.6%
年平均74.5%74.3%

バンコクは2月の60.5%が最も低く、9月の85.2%が最も高い、その差は約25ポイントです。チェンマイの振れ幅はもっと大きく、3月の51.7%から9月の88.9%まで約37ポイント動きます。年平均はどちらも74%台でほぼ同じなのに、季節ごとの中身がまるで違うわけです。日中の気温が近くても、3月のチェンマイと9月のバンコクではまったく別の暑さになります。

季節の区切りは、数え方が2つあります

「タイは3つの季節」とよく言われますが、区切る日付は出どころによって違います。どちらが正しいという話ではなく、目的が違います

タイ気象局の区切り

タイ気象局は季節の変わり目を月の中旬に置いています。暑季(ฤดูร้อน)が2月中旬から5月中旬、雨季(ฤดูฝน)が5月中旬から10月中旬、冬季(ฤดูหนาว)が10月中旬から2月中旬です。暑季は北東季節風から南西季節風への転換期にあたり、とくに4月は太陽がほぼ真上に来るため全国的に暑くなると説明されています。この時期には中国から流れ込む冷たい空気とぶつかって、雷雨・強風・ひょうを伴う「夏季の嵐」が起きることがあるとも書かれています。

雨季については、5月初めに低気圧帯が南部を通過したあと、6月末までいったん雨が1〜2週間減り、7月にまた雨が増えるという二段構えの説明があります。雨季の入りは平年より1〜2週間早まったり遅れたりします。

暑さと寒さと雨の呼び方にも基準があります。気温は35.0〜39.9℃が「高温」、40.0℃以上が「極度の高温」。低いほうは16.0〜22.9℃が「涼しい」、8.0〜15.9℃が「寒い」、8.0℃未満が「極寒」。24時間の雨量は0.1〜10.0mmが「少量」、10.1〜35.0mmが「中程度」、35.1〜90.0mmが「大雨」、90.1mm以上が「豪雨」です。現地の予報を読むときの物差しになります。

観光庁の区切り

タイ国政府観光庁は、旅行者向けに月単位で区切っています。乾期が11月から2月、暑期が3月から5月、グリーンシーズン(雨期)が6月から10月です。乾期は「毎日爽やかな青天が続き、雨がほとんど降らない季節」で「一年で最も快適な旅ができる季節」、暑期は4月が最も暑く「近年では気温が40℃を超える地域も多数あります」と説明されています。北部山岳地域では深夜や早朝に0℃近くまで下がることもあるとされています。

雨期の降り方については、「日本の梅雨のように一日中雨が降り続くことは少なく、毎日1〜2時間程度の激しいスコールが降ります」と書かれています。上の表で9月の雨の日が18日あっても、その18日が終日つぶれるわけではない、ということです。

行き先が変わると、雨の少ない月も変わります

ここがいちばん見落とされる点です。気象庁の平年値で、チェンマイ(北部)・プーケット(アンダマン海側)・ソンクラー(タイランド湾側)の月降水量を並べます。

チェンマイプーケットソンクラー
1月11.3mm102.2mm142.1mm
2月10.3mm48.9mm36.8mm
3月15.0mm117.8mm52.9mm
4月54.8mm154.5mm89.7mm
5月164.5mm316.4mm113.7mm
6月126.8mm374.6mm101.9mm
7月143.0mm275.9mm92.4mm
8月216.0mm372.2mm135.5mm
9月207.1mm393.9mm121.6mm
10月123.8mm332.5mm279.9mm
11月29.8mm228.9mm593.8mm
12月10.0mm103.2mm473.8mm

ソンクラーの列を見てください。11月が593.8mmで年間の最多、12月も473.8mmあります。バンコクが最も乾く11月・12月に、タイランド湾側は最も濡れるのです。タイ気象局も、北部と東北部は10月から急に雨が減るのに対し、南部はとくに東海岸で12月まで雨が続くと説明しています。サムイ島の平年値でも、雨の降る日は10月が19.7日、11月が19.6日と年の後半に集中し、月降水量は11月の489.6mmが最多です。

プーケット側はまた別で、5月から10月がまとまって雨で、9月は雨の降る日が22.8日あります。12か月を足すと約2,821mmで、バンコクの約1,718mmを大きく上回ります。逆にチェンマイは約1,112mmと最も少なく、12月・1月・2月は月10〜11mmしか降りません。「タイのベストシーズン」という一つの答えは存在せず、行き先ごとに別々に決めるしかありません。

気温の性格も違います。チェンマイの1月の月平均気温は22.3℃、12月は22.5℃で、バンコクより5℃ほど低くなります。日最低気温は1月が14.2℃、12月が15.3℃で、朝晩は羽織るものが要ります。何を持っていくかはタイで着るもの、持っていくものにまとめています。

2月のタイはどんな月か

2月は、乾いていて、日中は暑いのに湿気が一年で最も少ない月です。数字で並べるとこうなります。

  • バンコク … 月平均気温28.7℃、月降水量19.4mm。日最高32.7℃、日最低23.3℃、雨の降る日は月2日。
  • 湿度 … バンコクの相対湿度は60.5%で、12か月のうちいちばん低い月です。チェンマイも56.0%まで下がります。
  • チェンマイ … 月平均気温24.4℃、月降水量10.3mm、日最低気温15.6℃。朝は上着があったほうがよい寒さです。
  • プーケット … 月降水量48.9mm、雨の降る日は3.0日。3月以降より乾いています。
  • ソンクラー(タイランド湾側) … 1月の142.1mmから2月は36.8mmへ落ちます。年間最多の11月(593.8mm)とは16倍の差です。
  • 日の長さ … 15日ごろの日の出は6時41分、日の入りは18時23分。昼は11時間42分です。

季節の位置づけとしては、タイ気象局の区分で2月中旬が冬季から暑季への変わり目にあたり、観光庁の区分では2月は乾期の最後の月です。つまり2月は「乾いた季節の終わりで、月の後半から暑さが立ち上がってくる」月ということになります。上旬と下旬で体感が変わるので、日程が月末寄りなら3月に近いと考えたほうが外しません。

行事の面では、中国旧正月(春節)が2月に入る年があります。観光庁の祝日・行事の一覧では春節は祝祭日ではないと明記されていますが、中華系の商店や食堂は休むことがあります。仏教行事のマカブーチャ(万仏祭)も2月から3月に入り、この日は酒類の販売が禁止されます。どちらも年によって日付が動くので、旅程を組む前に観光庁の祝日・行事のページで日付を確かめてください。

日の出と日の入りは、一年でどれだけ動くか

アメリカ海軍天文台の計算による、バンコク(北緯13.75度・東経100.50度・タイ時間)の各月15日ごろの値です。年によって1〜2分ずれますが、月ごとの傾向は毎年ほぼ同じです。

日の出日の入り昼の長さ
1月6:4518:0911時間24分
2月6:4118:2311時間42分
3月6:2618:2812時間02分
4月6:0518:3112時間26分
5月5:5218:3712時間45分
6月5:5018:4612時間56分
7月5:5818:5012時間52分
8月6:0518:4012時間35分
9月6:0718:2012時間13分
10月6:0917:5911時間50分
11月6:1717:4711時間30分
12月6:3317:5311時間20分

昼がいちばん長いのは6月なかばから下旬で12時間56分、いちばん短いのは12月下旬で11時間19分。差は1時間37分しかありません。同じ日付で東京を計算すると14時間35分と9時間44分で、差は4時間51分です。バンコクでは、季節が変わっても明るい時間帯がほとんど動かないということになります。

もうひとつ、夏に日本から来ると戸惑うのが日の入りが遅くならないことです。バンコクの日の入りは、一年で最も遅い7月上旬から中旬でも18時50分止まりで、最も早い11月中旬から下旬は17時47分ごろ。同じ日に東京は19時00分まで明るいので、「19時ならまだ日がある」という感覚で夕方の予定を組むと外します。日の出がいちばん遅いのは1月下旬で6時46分ごろ、いちばん早いのは6月上旬で5時49分ごろでした。日本との時刻のずれそのものは日本とタイの時差で扱っています。

目的から月を決める

ここまでの数字を、決め方の形に置き直します。

  • 雨に予定を邪魔されたくない … バンコクと中部なら12月から2月。雨の降る日が月1〜2日で、月降水量も13.5〜24.2mmです。
  • 暑さをできるだけ避けたい … 12月から1月。バンコクの月平均気温が27.4〜27.6℃と年間で最も低くなります。ただし日最高気温は31〜32℃あるので「涼しい」ではありません。
  • 北部の山あいに行く … 12月から2月。チェンマイは月10〜11mmしか降らず、朝は14〜16℃まで下がります。防寒が要るのはこの地域だけです。
  • プーケットなどアンダマン海側の島や海 … 12月から3月。5月から10月は月276〜394mm降り、9月は雨の日が22.8日あります。
  • サムイ島などタイランド湾側11月と12月を外すのが先決です。ソンクラーの11月は593.8mm、サムイの11月は雨の日が19.6日で一年の底になります。2月から4月が最も乾きます。
  • 暑さが強いのを承知で行く … 3月から5月。バンコクの4月は月平均30.8℃、日最高34.9℃。観光庁は40℃を超える地域もあると書いています。屋外の予定は朝と夕方に寄せてください。

雨季を避ける理由は快適さだけではありません。雨が増えると蚊も増えます。防蚊の考え方は蚊と虫の対策にまとめました。

祝日と、お酒が買えない日

時期を決めるうえで、気候と同じくらい効いてくるのが祝日です。タイ国政府観光庁の祝日・行事の一覧から、日付の性格だけを整理します。

  • ソンクラーン(タイ正月・水掛け祭り)は4月13日から15日。年によって振替が付くことがあります。国内の移動が集中し、街の商店も休みます。
  • 仏教行事は年ごとに日付が動きます。マカブーチャ(万仏祭)、ヴィサカブーチャ(仏誕節)、アサラハブーチャ(三宝節)、カオパンサー(入安居)、オークパンサー(出安居)がこれにあたり、いずれも酒類の販売が禁止される日と記載されています。
  • 国王・王妃・王太后の生誕日や記念日など、日付が固定の祝日は年間を通して点在します。12月上旬は祝日が続きます。
  • 中国旧正月(春節)は祝祭日ではありません

移動祝日は毎年ずれるので、往復の便を押さえる前に観光庁の一覧でその年の日付を確かめてください。

空気の汚れは、行く前に自分で見られます

タイでは大気の汚れも旅程を左右します。タイ公害管理局が Air4Thai という仕組みで、全国の観測局のPM2.5を1時間ごとに公開しています。県名から観測局を選べば、その地点の実測値が読めます。同局は森林火災・煙害・粉じんへの対応措置もまとめて公表しています。「この時期は必ずこうなる」と決めつけず、行き先と時期が固まった段階で、過去の同じ月の値を自分で見に行くのが確実です。とくに北部へ行く予定なら、出発前に一度は開いておいてください。

出発前に、自分で見ておくこと

気候まわりで確認しておくと迷わないものを挙げます。

  • 行き先ごとの降水量 … 「タイ」ではなく都市名で見ます。上の表のとおり、同じ月でも地域で正反対になります。
  • その年の祝日 … 仏教行事は日付が動き、酒類の販売が止まる日があります。
  • 大気の状況 … Air4Thai で行き先の観測局を確認します。
  • 持ちもの … 服装と雨具の判断はタイで着るもの、持っていくものに、電源まわりはタイのコンセントと電圧、変換プラグはいるのかにあります。観光庁によれば電圧は交流220V(50Hz)、プラグはA・BF・Cタイプです。
  • 時刻の感覚 … 時差はマイナス2時間で、タイで午前8時のとき日本は午前10時です。詳しくは日本とタイの時差で。

ここに挙げた数値は、いずれも 2026-08-31 時点で各機関の公式ページから取ったものです。平年値は統計期間の更新で変わりますし、祝日は毎年変わります。日程を確定する前に、出典に挙げたページで最新の値を見直してください。旅の準備まわりのほかの記事は旅の準備の記事一覧から辿れます。

出典

このページの内容は 2026-08-31 に確認しました。料金・制度・営業情報は変わることがあります。