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バンコクのイタリアン、店に入る前に知っておくこと

バンコクのイタリアンは、ホテルの中の店、街の独立した店、通し営業のピッツァの店に分かれます。高級な店が集まる場所、中休みの時間、イタリア政府の認証とナポリピッツァの規約、会計に付く税とサービス料を、公式情報だけで整理しました。

この記事の要点

  • 街なかの独立した店は14時前後でいったん閉まり、夜は18時から開きます。昼を食べそこねて15時に向かうと、扉が閉まっています。
  • 時間を選ばずに入りたいなら、ピッツァ中心の店かモールに入っている店です。10時から22時まで通しで開いている店があります。
  • 会計はメニューの表示で決まります。「++」なら表示価格にサービス料と付加価値税が別に足され、「net」なら込みです。付加価値税は7%です。
  • 高級な店はシーロム、ワイヤレス通り、スクンビットの奇数ソイ、ホテルの中に偏っています。価格を公式サイトに出していない店が多いので、金額は店頭で確かめてください。
  • 本場かどうかの目印は、イタリア政府のOspitalità ItalianaとナポリのAVPNです。どちらも条件を満たしているかどうかの表示で、認証がある店が高級とはかぎりません。

バンコクにはイタリア料理の店がたくさんあります。ホテルの高層階で一皿ずつ出てくる店もあれば、路地に面した小さなピッツェリアもあり、モールの中で昼から通しで開いている店もあります。ところが日本の感覚で「イタリアン」とひとまとめにして出かけると、値段も服装も予約の要否もまるで違う店に当たります。このページは、店の良し悪しを決めるものではなく、バンコクのイタリアンがどう分かれていて、行く前に何を確かめればよいかを、公式に出ている情報だけで整理したものです。

バンコクのイタリアンは大きく3つに分かれる

  • ホテルの中にある店 — 高層階や川沿いにあり、夜だけ開ける店もあります。イタリア商工会議所が認証店として挙げている中にも、シャングリ・ラ バンコクの Volti Tuscan Grill & Bar、セントララ グランド アット セントラルワールド24階の Ventisi、ラディソン ブル プラザ バンコク28階の Attico Cucina Italiana、ザ・スコータイ バンコクの La Scala といったホテル内の店が並びます。
  • 街なかの独立した店 — シーロムやスクンビットの路地にあり、昼と夜のあいだに中休みが入る店が多いのが特徴です。
  • ピッツァを主に出す店 — 昼から夜まで通しで開いていることが多く、持ち帰りや配達も受けます。モールの中に入っている店もこの型です。

「高級」で探しているのか「安く済ませたい」のかで、見るべき層が最初から変わります。以下、層ごとに分けて書きます。

高級な店はどこにあるのか

値段の高い店は、街じゅうに散らばっているわけではありません。公式サイトや認証ページに載っている住所を並べると、置かれている場所がかなり偏っていることが分かります。

  • シーロム/サラデーン — Zanotti Il Ristorante Italiano は公式サイトで「Saladaeng Colonade Condominium, Saladaeng Road, Silom, Bangrak」と住所を出しています。
  • ウィッタユ(ワイヤレス)通りとルアムルディー — Gianni Ristorante は公式サイトでアテネタワー1階、ワイヤレス通りと案内しています。Massilia の本店は公式サイトによるとルアムルディーのコミュニティ内です。
  • スクンビットの奇数ソイ — Appia はソイ31、Peppina の本店はソイ33にあります。
  • ホテルの中 — 上に挙げた Volti、Ventisi、Attico、La Scala はいずれもホテルの中の店です。

公式に営業時間が出ているものを並べると、次のようになります。時間は変わることがあるので、行く前に各店の公式ページで見直してください。

場所公式に出ている営業時間
Zanotti Il Ristorante Italianoサラデーン(シーロム)昼 11:30〜14:00/夜 18:00〜22:30
Gianni Ristoranteワイヤレス通り アテネタワー1階昼 11:30〜14:00/夜 18:00〜22:00
Volti Tuscan Grill & Barシャングリ・ラ バンコク火〜日 18:00〜22:00(夜のみ)
Appiaスクンビット ソイ31毎日 11:30〜21:00
Ciao Pizzaプラディットマヌータム通り ザ・クリスタル2階15:00〜24:00
Peppina(本店)スクンビット ソイ33月〜金 11:30〜23:00/土日 11:00〜23:00

この表でいちばん実用的なのは、独立した店は14時前後でいったん閉まるという点です。昼を食べそこねて15時に向かうと、扉が閉まっています。夜は18時からの店が多く、その時間まで待つことになります。ホテルの中の店には夜だけの営業もあります。

気軽に食べたいとき

安く早く食べたいなら、通し営業のピッツァ中心の店か、モールに入っている店が現実的です。中休みがないので、時間を選びません。

Peppina は公式サイトで店舗と時間を出しています。スクンビット ソイ33の本店のほか、セントラル・エンバシー(Open House 6階)と セントラルワールド7階がいずれも毎日10:00〜22:00、セントラル・バンナー5階が月〜金10:30〜21:00・土日10:00〜22:00、EMSphere 1階の Panetti by Peppina が毎日10:00〜22:00です。バンコク以外にチャアム(水〜日11:00〜22:00)とウドンタニ(木〜火11:00〜22:00)にも店があります。

Massilia は公式サイトによると、ルアムルディーの店のほかにスクンビット ソイ49で「ピッツァトラック」を出しています。Ciao Pizza は15時開店で深夜0時まで開いています。夜遅くに食べたいときはこの層です。

「近くのイタリアン」を探すときは、まず自分がいるモールの飲食フロアを見るのが早道です。上のとおり、同じ店がモールごとに入っていることがよくあります。

本場かどうかを見分ける目印が2つある

店の外観や値段からは、イタリア料理としての中身は分かりません。第三者が公表している目印が2つあります。どちらも順位ではなく、条件を満たしているかどうかの表示です。

  • Ospitalità Italiana — 在タイ・イタリア商工会議所(TICC)の説明によれば、「イタリア政府が世界中のイタリア料理店に出す品質認証で、イタリア料理の水準を保証するもの」です。審査の基準は国立観光研究所(IS.NA.R.T.)が定めています。レストラン、ピッツェリア、ジェラテリアで求められる内容が別々に決められており、ジェラテリアなら機械・材料・製法・レシピ・「メイド・イン・イタリー」の意味の5点が要件だと書かれています。
  • AVPN(Associazione Verace Pizza Napoletana) — ナポリの協会で、公式サイトには「本物のナポリピッツァをイタリア国内と世界で広め、守ること」を使命に掲げています。加盟ピッツェリアを国別に検索できるページがあり、タイでは Peppina(会員番号586、バンコクのワッタナー区)が載っています。Peppina 自身も公式サイトで、協会の規約に従っていると書いています。

TICC の認証店の一覧には、バンコクを中心に30件を超える店が並びます。バンコクのほか、プーケット、ホアヒン、チョンブリー、サムイ島の店も載っています。ホテル内のレストラン、街のトラットリア、ピッツェリア、ジェラート店まで混在しているので、「認証がある=高級」ではありません。

ナポリピッツァには細かい決まりがある

AVPN が公開している国際規約は、かなり具体的です。数字が並んでいるので、店で焼かれている様子と照らし合わせられます。

  • 生地は水1リットルに対し、塩40〜60g、小麦粉は「00」または「0」を1.6〜1.8kg。
  • 窯は薪窯。床と天井のあいだの温度はおよそ430〜480℃。
  • 焼き時間は60〜90秒で、周囲が均一に焼けていること。
  • 焼き上がりの直径は35cmを超えないこと(22〜35cmが許容範囲)。
  • 縁(コルニチョーネ)はふくらんでいて焦げがなく、高さはおよそ1〜2cm。中央の厚みは0.25cm以下。

つまり、窯の前に薪が積んであるか、注文から2分もかからずに出てくるか、皿からはみ出すほど大きくないか、といった点は、名乗りが規約どおりかどうかの手がかりになります。もちろん規約に沿っていない焼き方の店がおいしくない、という話ではありません。

店名の「リストランテ」と「トラットリア」は何が違うのか

バンコクの店名には、イタリア語の業態名がそのまま使われています。Zanotti Il Ristorante Italiano、Giglio Trattoria Fiorentina、iO - Italian Osteria、Pizzeria Limoncello、Enoteca Italiana といった具合です。語の意味が分かると、入る前に見当がつきます。イタリアの辞書(トレッカーニ)の定義は次のとおりです。

辞書の定義
ristorante(リストランテ)専用の場所に並べたテーブルで、給仕が運ぶ料理を客がフルコースとして食べる公共の店
trattoria(トラットリア)1つ以上の客室があり、そこで完全な食事ができる公共の店
osteria(オステリア)かつては食事も宿泊もできた宿。今は控えめで大衆的な店で、ワインを出し、しばしばトラットリアの営業も兼ねる
pizzeria(ピッツェリア)ピッツァなどを用意し、ふつうは薪窯で焼いて客に出す公共の店
spaghetteria(スパゲッテリア)主にスパゲッティを、さまざまに調理して出す公共の店
enoteca(エノテカ)おおむね商業目的で集められた、さまざまな上質ワインのボトルの品ぞろえ

「リストランテ」を名乗る店はコースと給仕が前提、「トラットリア」や「オステリア」はもう少し肩の力が抜けた店、「エノテカ」はワインが軸、と読めます。名前だけで決まるわけではありませんが、外れは減ります。

メニューの「DOP」は何を意味するのか

バンコクの店でも、メニューや公式サイトに「DOP」と書かれていることがあります。たとえば Massilia は公式サイトで、72時間かけて自然発酵させた生地、薪窯、そしてイタリアから取り寄せた DOP の食材を使うと説明しています。

DOP はイタリア語の表記で、EU の制度では PDO にあたります。欧州委員会の説明によれば、3つの制度があります。

  • PDO(伊 DOP) — 「作られる場所との結びつきがもっとも強い名称」。生産・加工・調理のすべての段階がその地域で行われている必要があります。
  • PGI(伊 IGP) — 地域と名称の関係を示すもので、品質や評判などの特徴が産地に由来していればよく、少なくとも1つの工程がその地域で行われていれば認められます。
  • TSG(伊 STG) — 特定の土地とは結びつけず、作り方や配合といった伝統的な側面を守る制度です。

つまり DOP は「おいしさの保証」ではなく、産地と作り方の決まりを満たしている印です。値段が上がる理由の説明にはなります。

生ハムやサラミをめぐる事情

在タイ・イタリア大使館は公式サイトで、タイの畜産振興局(DLD)がイタリア産の豚肉加工品について、輸入停止解除の完全な実施を正式に確認したと告知しています。同じ告知には、タイへ輸出できるのは DLD が認めた施設の一覧に載っているイタリアの事業所だけだ、とも書かれています。

生ハムやサラミの盛り合わせが日によって品切れになったり、値段が動いたりする背景には、こうした輸入の条件があります。店の裁量だけで決まっているわけではありません。

会計で上乗せされるもの

タイ歳入局は、付加価値税(VAT)の一般税率について「現在の税率は7パーセント」と示しています。ホテル内の店や、ある程度の規模の店では、これに加えてサービス料が付きます。

  • メニューに ++ と書かれていれば、表示価格にサービス料と付加価値税が別に加わります。
  • net と書かれていれば、表示価格に込みです。

なお、バンコクのイタリアンは公式サイトに価格を載せていない店が多く、住所と営業時間だけを出しているのが普通です。金額を先に知りたい場合は、店頭のメニューか、店が案内している公式の窓口で確かめてください。ここで金額を書かないのは、確かめられない数字を載せないためです。

ワインを頼める時間には決まりがある

タイ国政府観光庁(TAT)のニュースルームによると、酒類の販売はおおむね11:00から24:00までとされています。国際線の出発区域、ホテル、許可を受けた娯楽施設、承認されたイベント会場など、別の条件で運用される場所もあると同じ記事に書かれています。選挙の期間や主要な宗教行事の日などに制限がかかることもあります。飲酒できる年齢は20歳からです。

昼にワインを合わせたいときは、この時間帯の扱いが店によって違いうる、と覚えておくと予定が立てやすくなります。詳しい条件は店に確認してください。

予約と、行く前に確かめること

店の公式サイトには、予約の入口が置かれていることがあります。Peppina は公式サイトに予約のボタンを、Cetara は席の予約ボタンを出しています。Appia や Volti Tuscan Grill & Bar については、認証ページ側でも予約を取るよう案内されています。

  1. 中休みの有無 — 独立店は14時前後で閉まり、18時に開きます。
  2. その日が営業日か — 週に1日休む店があります(Volti は月曜が営業日に入っていません)。
  3. 会計の表示 — ++ か net か。
  4. 服装や貸切 — ホテル内の店では扱いが違うことがあるので、公式サイトで確認してください。

店名で探して来た方へ

「Zio Aldo Pizza & Spaghetteria」や「Grano di Pa」のように、特定の店名で検索してこのページに来た方もいると思います。個別の店の評価や口コミは、このセクションではなく バンコクの飲食店の口コミと評価 の側で扱っています。営業時間や場所は変わることがあるので、行く前に店の公式の窓口で確かめてください。

なお店名に含まれる「spaghetteria」は、辞書では主にスパゲッティをさまざまに調理して出す店を指す語です。名前を見れば、ピッツァが主なのか、パスタが主なのか、コースの店なのか、おおよその見当はつきます。

どこで食べるかを決めるとき

このページは仕組みを知るための記事なので、店を選ぶ手前までを扱いました。実際にどの店にするかは、口コミと評価のページで比べてください。日本料理と迷っている場合は、同じ「食べる・飲む」の中に別の記事があります。

出典

このページの内容は 2026-08-31 に確認しました。料金・制度・営業情報は変わることがあります。