ZYRO

バンコクでラーメンを食べる前に知っておくこと

バンコクのラーメンは、日本のチェーン、タイに根づいたチェーン、路面のラーメン居酒屋で値段も営業時間も違います。一杯いくらか、何時まで開いているか、豚骨はあるか、言葉は通じるかを公式情報だけで整理しました。

この記事の要点

  • タイのチェーンがいちばん手前の帯です。八番らーめんの公式の品書きでは、8ちゃん麺が88バーツ、味噌らーめんが105バーツ、豚骨醤油らーめんが115バーツと表示されています。
  • モールの中の店は21時半前後で閉まります。遅い時間に食べたいなら、23時まで開いている路面のラーメン居酒屋のほうを見ることになります。
  • 豚骨は食べられます。ただしスープもチャーシューも豚から作られているので、豚肉を口にしない人と行くときは、店を決める前に確かめてください。
  • タイの日本食レストランが5,781店へ初めて減った年に、ラーメンは823店で2.6%増えています。増えた業種はラーメンと喫茶だけで、店が目につくのは気のせいではありません。
  • ミシュランガイドのバンコクの一覧を「Ramen」で絞ると、確認した時点では該当する店がありませんでした。値段・場所・営業時間で決めることになります。

バンコクでラーメンの店を探すと、日本で見慣れた看板と、聞いたことのない店名が入り混じって出てきます。しかも一杯88バーツの店と、モールの中で落ち着いて食べる店とでは、値段も営業時間も客層もまるで違います。このページは、どの店に行くかを決める前に知っておくと迷わない部分——店の種類、値段の目安、何時まで開いているか、注文と支払い、言葉——を、店の運営者と行政が自分で出している情報だけで整理したものです。店そのものの評価は扱いません。

ラーメンを出す店は大きく3つに分かれる

  • 日本のチェーンがそのまま出している店 — 一風堂のように、日本の屋号と品書きを持ち込んでモールに入っている形です。スープの説明も日本と同じ言葉で書かれています。
  • タイに根づいて長くやっているチェーン — 八番らーめん(ฮะจิบัง ราเมน)のように、タイの法人が運営し、地方の県まで店を広げている形です。値段はいちばん手が届きやすく、タイ向けの品書きも持っています。
  • ラーメン居酒屋や路面の個人店 — うま馬のように、ラーメンと一緒に餃子や鍋、串焼きを出す形です。夜が長く、モールが閉まったあとも開いています。

「バンコクのラーメン屋」と一口に言っても、この3つのどれを指しているかで、払う金額も、行ける時間も、場所も変わります。以下はその違いを数字で見ていきます。

タイに日本のラーメン店はどれくらいあるのか

ジェトロ(日本貿易振興機構)が「2025年度タイ国日本食レストラン調査」として公表した数字があります。それによると、タイの日本食レストランは5,781店舗で、前年の5,916店舗から135店舗減りました。ジェトロは、これが「同調査を開始した2007年以来初めての減少」だとしています。地域別ではバンコクが前年比2.4%減、バンコク近郊5県が3.1%減、そのほかの地方が1.9%減で、どこも前年を下回りました。

ところが業種別に見ると、ラーメンの動きだけが違います。

業種店舗数前年からの動き
総合和食1,398店舗減少
寿司1,250店舗減少
ラーメン823店舗2.6%増
居酒屋459店舗減少
すき焼き・しゃぶしゃぶ437店舗減少

ジェトロは、店舗数が増えたのは「ラーメン(前年比2.6%増)、喫茶(6.4%増)のみ」で、鉄板焼きは横ばい、そのほかの業種はすべて減ったと書いています。減り幅が大きかったのは焼肉(9.0%減)と丼専門(8.6%減)でした。つまり日本食の店が全体としては初めて減った年に、ラーメンは数を増やした側にいます。バンコクでラーメンの店が目につくのは、気のせいではありません。

もうひとつ、この調査の数え方も知っておくと役に立ちます。対象は「客席具備の外食店舗」で、客席を持たないデリバリー専門店は数に入っていません。実際にラーメンを頼める先は、この823という数字より広いということです。

いくらかかるのか

一杯ごとの値段を公式サイトに出しているのは、タイのチェーンです。八番らーめんのタイ公式サイトの品書きに載っている金額を、そのまま並べます(2026-09-01に見たものです)。

品名公式表示の値段
8ちゃん麺(醤油)88バーツ
味噌らーめん105バーツ
ぱいたん麺108バーツ
ざるらーめん108バーツ
とんこつ担々麺113バーツ
豚骨醤油らーめん115バーツ
チャーシュー麺115バーツ
鴨煮らーめん118バーツ
トムヤムクンらーめん138バーツ
五目らーめん138バーツ

この帯がタイのラーメンのいちばん手前だと思っておくと、ほかの店の値段にも見当がつきます。日本のチェーンや路面のラーメン居酒屋は、これより上に来ます。一風堂のタイ公式サイトは品書きに一品ずつ説明を載せていますが、値段は載せていないので、店頭か配達アプリの画面で見ることになります。

支払いのときに関わるのが税です。タイ歳入局の英語の説明では、付加価値税の一般税率について「Currently, the rate is 7 percent.(現在の税率は7%)」と書かれています。表示された値段に税が含まれているかどうかは店によって違い、モールの中の店ではサービス料の扱いも店ごとに決まっています。品書きの隅にある但し書きを先に見ておくと、会計で驚きません。

豚骨ラーメンは食べられるのか

食べられます。しかも「豚骨」と書いてある店の説明は、日本と同じ言葉で書かれています。

一風堂のタイ公式サイトは、看板の3杯をこう説明しています。白丸元味(Shiromaru Motoaji)は「Original creamy tonkotsu, pork bone broth simmered for over 18 hours(18時間以上煮出した豚骨スープ)」で、豚バラと豚ロースのチャーシューが乗ります。赤丸新味(Akamaru Shinaji)は同じ豚骨に特製の合わせ味噌と香りづけのにんにく油を加えたもの、からか麺(Karaka-men)は豚骨に辛い挽き肉味噌とラー油を合わせたものです。ほかに醤油、黒、つけ麺、鶏と豚を重ねたもの、麻辣の豚骨も並んでいます。同社は自社サイトで「Ippudo was founded in 1985 in Japan's ramen capital of Hakata, Fukuoka.(1985年に福岡・博多で創業)」「Today, there's over 220 Ippudo outlets all around the world.(世界に220店舗以上)」としています。

博多の系譜をたどる店もあります。うま馬(運営は株式会社ヴィガー)の公式サイトの沿革には、1941年に博多川沿いで屋台「三馬路」が始まり、「澄んだスープと平打ち麺による、博多源流ラーメンの基礎を築く」とあります。屋号が「うま馬」になったのは1994年、バンコクへ出たのは2015年、2018年に2号店、2023年に新しい2号店と3号店を開いた、という順です。

ひとつ先に知っておきたいのは、豚骨スープもチャーシューも豚から作られていることです。一風堂の説明にも「pork bone broth」「pork belly & pork loin」とはっきり書かれています。豚肉を口にしない人と一緒に行くときは、この点を確かめてから店を決めてください。

「うま馬」はバンコクのどこにあるのか

この店名で調べる人が多いので、公式サイトに出ている3店の情報をそのまま並べます(2026-09-01に見たものです)。同社はアソーク店を「タイ・バンコクに暖簾を掲げ、タイ進出の第一歩となった博多ラーメン居酒屋」と説明しています。

所在電話営業時間
アソーク店39/1 Soi Sukhumvit 23, Klongtoey Nua, Wattana, Bangkok 10110(+66)2-664-1130月〜金 11:00〜14:30/16:00〜23:00、土 11:00〜23:00(ラストオーダー22:30)、日 11:00〜22:00(ラストオーダー21:30)
スクンビット39店18/5 Soi Sukhumvit 39, Klongton Nua, Wattana, Bangkok 10110(+66)2-126-0871月〜金 11:00〜14:30/16:00〜23:00、土 11:00〜23:00(ラストオーダー22:30)、日 11:00〜22:00(ラストオーダー21:30)
セントラルワールド店Room B331/1, Central World 3階(Japan Avenue), 999/9 Rama I Road, Pathum Wan, Bangkok 10330(+66)6-3975-589711:00〜22:00(ラストオーダー21:30)

公式サイトによると、スクンビット39店はテーブル席がすべて暖簾で仕切られた半個室で66席、セントラルワールド店は19席です。路面の店とモールの中の店とでは、席の作りも滞在の仕方も変わります。

何時まで開いているのか

ここは日本と感覚が違うところです。モールの中の店は21時半前後で閉まります。一風堂のタイ公式の店舗ページを見ると、多くの店が「10:00〜21:30」や「11:00〜21:30」で、遅い店でも21:30が終わりです。仕事のあとに一杯、と考えて21時を回ってから向かうと、間に合わないことがあります。

いっぽう路面のラーメン居酒屋は夜が長く、うま馬のアソーク店とスクンビット39店は平日と土曜が23:00まで、ラストオーダーが22:30です。遅い時間にラーメンで締めたいなら、こちら側を見ることになります。

例外がひとつあります。一風堂のドンムアン空港ターミナル2の店は、公式の店舗ページで「04:00〜20:00」となっています。早朝の便に乗る前に食べられる時間帯です。

もうひとつ、モールの改装で店がしばらく閉まることがあります。一風堂の店舗ページには、ターミナル21店に「Reopening August 2026」、エムクオーティエ店に「Reopening September 2026」という添え書きがありました。行く前に公式の店舗ページを開いて、その店が今開いているかを確かめるのがいちばん確実です。

店はモールの中にあることが多い

バンコクでラーメンの店を探すときは、路地を歩くより先にモールのレストラン階を見るほうが早い、というのがこの街の事情です。一風堂のタイ公式の店舗一覧には20か所が並び、その多くがセントラル系、ザ・モール系、サイアム・パラゴン、アイコンサイアム、エンポリアム、シーロム・コンプレックスといった商業施設の中にあります。20か所のうち1か所はパタヤで、残りはバンコクとその周辺です。

八番らーめんはもっと広く出ています。タイの公式サイトの沿革には「more than 175 branches nationwide, its vicinity and other provinces(全国と近郊、その他の県に175店舗以上)」とあります。同社によると、日本での1号店は1967年(仏暦2510年)、タイでの会社「Thai Hachiban Co., Ltd.」の設立は1991年10月25日です。公式の店舗検索に並ぶ一覧は179件で、そのうち69件がバンコクでした(2026-09-01にこの一覧を数えたものです)。県ごとに見るとチョンブリー、ノンタブリー、サムットプラーカーンと続き、プーケットやチェンマイ、コーンケンにも店があります。旅先や出張先でも見つかる、ということです。

タイならではの一杯もある

日本では見ない品書きが、タイのチェーンにはあります。八番らーめんの公式の品書きでは、看板としてトムヤムクンらーめん(138バーツ)が最初に置かれ、説明は「ราเมนในน้ำซุปต้มยำกุ้ง(トムヤムクンのスープのラーメン)」です。トムヤムのスープにチャーシューを乗せたトムヤムチャーシュー麺(115バーツ)もあります。ほかに、鴨を煮て椎茸と合わせた鴨煮らーめん(118バーツ)、冷たいざるらーめん(108バーツ)も同じ品書きに並びます。

「日本のラーメンを食べに来たのに」と身構える必要はありません。同じ店に豚骨醤油らーめん(115バーツ)も味噌らーめん(105バーツ)も置いてあるので、同行者と別のものを頼めます。

言葉は通じるのか

今回確かめた範囲では、注文で困る場面は多くありません。八番らーめんのタイ公式の品書きは、タイ語・日本語・英語・中国語の4つが一品ごとに併記されています。日本語の品名がそのまま書いてあるので、指させば伝わります。一風堂のタイ公式サイトはタイ語と英語の両方で作られており、うま馬の公式サイトは日本語です。

タイ語で覚えておくと拾いやすいのは、ラーメンを指す ราเมน と、豚骨を指す ทงคตสึ(表記のゆれで ทงโคะสึ とも書かれます)の2語くらいです。店名の表記も、八番らーめんは ฮะจิบัง ราเมน、一風堂は อิปปุโดะ となります。地図アプリで探すときに役立ちます。

お酒を頼むなら時間を見る

ラーメン居酒屋では飲む人も多いので、酒の販売時間にも触れておきます。タイ国政府観光庁(TAT)が出している案内では、酒類は一般に「from 11.00 to 24.00 Hrs.(11時から24時まで)」販売できるとされています。ただし国際空港の国際線エリア、ホテル、許可を受けた娯楽施設などでは扱いが異なり、TAT自身も「service hours may vary by venue type, licence, and location(提供時間は施設の種類・免許・場所によって変わりうる)」として、各店の案内に従うよう書いています。居酒屋そのものの使い方はバンコクの居酒屋と焼き鳥にまとめています。飲んだあとの一本として親しまれている栄養ドリンクの話はタイのレッドブル、クラティンデーンにあります。

部屋で食べるという手もある

暑い中を歩きたくない日や、モールが閉まったあとには、配達という手があります。一風堂のタイ公式サイトのデリバリーのページには、GrabFoodLine ManShopee Food の3つが並んでいます。前に触れたとおり、ジェトロの調査は客席のないデリバリー専門店を数えていないので、配達で頼める先は店舗数の統計よりも広いということになります。注文の手順や詰まりどころはGrab Food、注文する前に知っておくことで扱っています。

星や掲載を目安にできるのか

寿司であれば、ミシュランガイドの掲載が手がかりになります。実際、ミシュランガイド・タイランドのバンコクの一覧を「Sushi」で絞ると6軒が出ます。ところが同じ操作を「Ramen」で行うと、2026-09-01の時点では「Unfortunately there are no selected restaurants in the area you've searched for.(お探しの地域に選出されたレストランはありません)」と表示されます。つまりバンコクのラーメンについては、ミシュランのこの分類から手がかりは得られません。同じ手順を寿司で行って6軒が出ることを確かめたうえでの結果です。

裏を返せば、ラーメンの店は第三者の格付けではなく、値段・場所・営業時間と、実際に食べた人の声で決めることになります。寿司の側の事情はバンコクで寿司を食べるときに書いています。

店を決めるときに見るもの

ここまでを踏まえると、確かめる順番はだいたい決まります。

  1. 何時に行くか — 21時を回るならモールの中の店は外れます。路面のラーメン居酒屋に絞ることになります。
  2. いくらまでか — 100バーツ前後で済ませたいのか、腰を据えて食べたいのかで、見る店の層が変わります。
  3. その店が今開いているか — 改装で長く閉まることがあります。各社の公式の店舗ページで確かめてください。
  4. 同席する人が食べられるか — 豚骨のスープもチャーシューも豚から作られています。

そのうえで、実際に行った人がどう感じたかはバンコクのラーメン店の口コミと評価にまとまっています。ラーメン以外も含めて食事の店を見比べたいときはバンコクの飲食店の口コミと評価から辿れます。食べる・飲むまわりのほかの記事は食べる・飲むの記事一覧にあります。

出典

このページの内容は 2026-09-01 に確認しました。料金・制度・営業情報は変わることがあります。