タイのIB(国際バカロレア)認定校を確かめる
その学校が本当にIB認定校かは、学校の案内ではなく国際バカロレア機構の名簿で確かめます。PYP・MYP・DP・CPの4つのプログラムと対象年齢、タイに何校あるか、日本の大学入試でどう扱われるかを、公式の資料からまとめました。
この記事の要点
- IB認定校かどうかは、学校のパンフレットではなく国際バカロレア機構(IBO)の公式の検索で確かめます。「IB教育を取り入れています」と「IB認定校です」は別のことです。
- IBには4つのプログラムがあります。PYPが3〜12歳、MYPが原則11〜16歳、DPが16〜19歳、CPが16〜19歳のキャリア教育向けです。全部を置く学校も、1つだけの学校もあります。
- タイのIB認定校は41校です。内訳はPYP 18校・MYP 16校・DP 33校・CP 7校で、1校が複数のプログラムを置くので合計は41を超えます。小学生年代のPYPはDPの半分ほどしかありません。この内訳は名簿の各行のチェックを数えたもので、1校ごとの当てはめには使えません。
- 同じ「IB校」でも、どのプログラムの認定を持つかは学校ごとに違います。ただしプログラムの認定は「その年齢帯をIBの枠組みで教える許可」であって、「その年齢帯の子を受け入れるか」ではありません。通える年齢は各校が公表している受け入れ学年で確かめてください。
- DPを修了して所定の成績を収めると国際バカロレア資格が取れ、日本の大学への入学資格が認められます。多くの大学が出願資格の一つとして募集要項に明記しています。
- IBの認定は世界163の国と地域で約6,200校(令和8年6月時点・文部科学省IB教育推進コンソーシアム)。タイにも複数の認定校があります。
タイの学校を調べていると、案内に「IB」の文字がよく出てきます。ところが「IB教育の考え方を取り入れています」と「国際バカロレア機構の認定を受けています」は別のことです。ここでは、その違いをどう確かめるか、4つのプログラムが何歳を対象にしているか、そして日本の大学入試でどう扱われるかを、公式の資料に沿って整理します。
まず「その学校は本当にIB認定校か」を機構の名簿で確かめる
いちばん確実なのは、国際バカロレア機構(IBO)が公開している学校検索で国を「タイ」にして引くことです。学校のパンフレットやSNSではなく、認定する側の名簿を見る、という順番です。
認定を受けている学校は、2026-09-06の時点で世界163の国と地域におよそ6,200校あります(この数は令和8年6月時点として文部科学省のIB教育推進コンソーシアムが公表しているものです)。タイにも複数の認定校があり、バンコクだけでなく東部のチョンブリやパタヤ、北部のチェンマイ、南部のプーケットにも広がっています。
「候補校」は認定校ではありません
IBには、認定を申請中の「候補校(Candidate School)」という段階があります。候補校は認定校ではなく、将来認定される保証もありません。学校側が「IB候補校です」と書いているとき、それは手続きの途中という意味です。名簿を引くときは、認定校と候補校のどちらとして載っているかまで見てください。
タイのIB認定校は 41 校(2026-09-06 時点)
実際に機構の検索で国を「タイ」にすると、結果の見出しに 「Found 41 matching school(s)」と出ます。プログラム別に数えると次のとおりです。
| プログラム | 置いている学校の数 |
|---|---|
| PYP(3〜12歳) | 18校 |
| MYP(原則11〜16歳) | 16校 |
| DP(16〜19歳) | 33校 |
| CP(16〜19歳・キャリア教育) | 7校 |
この 18 / 16 / 33 / 7 は、名簿の各行に付いたチェックを数えたものです。ある学校が1つのプログラムで認定を受けつつ、別のプログラムでは候補である場合に、名簿のチェックがどちらを指すかは、機構の公表資料からは確定できていません(下の「どうやって数えたか」を参照)。プログラムによって中身が違うこと・小学生年代の PYP は DP より少ないことは、多少の分類のゆらぎでは変わりませんが、1校ごとの当てはめには使わないでください。
4つを足すと 41 を超えます。1つの学校が複数のプログラムを置いているためで、 数え間違いではありません。逆にいえば、「IB認定校」と聞いて思い浮かべる中身は学校ごとに違います ——33校が置く DP に対して、小学生年代の PYP は 18校しかありません。 小学部から IB の枠組みで学ばせたいのか、高校の課程だけでよいのかで、見るべき認定が変わります。
ただし、ここを学校選びの年齢の条件にしないでください。プログラムの認定は「その年齢帯を IB の枠組みで教える許可」であって、「その年齢帯の子を受け入れるかどうか」ではありません。たとえば名簿で DP だけの認定を持つ学校にも、幼稚園年少から受け入れているところがあります(その年代は IB ではない別の課程で教えている、ということです)。逆に PYP と MYP だけの認定でも、高校まで在籍させてIB 以外の卒業資格を出す学校があります。通える年齢は、各校が公表している受け入れ学年で確かめてください。
この 41 はタイ全土の数で、しかもキャンパス単位です。バンコクだけの数ではありませんし、同じ学校の別キャンパスは別に数えられます(Ruamrudee・Wells・KIS が各2件、St Andrews が3件入っています)。 この検索の表題は逐語で 「Find an IB World School」で、機構は「IB World School になるには、1つ以上のプログラムで機構の認定を受けなければならない」としています。つまりここに載る学校は、少なくとも1つのプログラムで認定を受けています。
ここから先は、確かめきれていません。上の書き方が保証するのは学校の単位までで、行に付いた個々のチェックが「認定」と「候補」のどちらを指すかは、機構の公表資料からは決められませんでした。実際に、名簿で PYP と MYP のチェックが付く British Columbia International School Bangkok について、同校の発表はPYP は認定済み(「officially been authorized to offer the International Baccalaureate Primary Years Programme」)、MYP は verification の段階(「continues its progress toward ... IB MYP verification」)としています。一方で同校の入学案内は、自校を候補校(candidate school)と説明したままです(いずれも 2026-09-06 に確認)。認定の有無を決めるのは機構なので、この記事は名簿に従います。ただし志望校を絞るときは、そのプログラムがいま認定なのか候補なのかを学校へ直接お尋ねください。
どうやって数えたかも書いておきます。機構の検索ページは、 プログラムでの絞り込みに他の条件が付いた形の URL を受け付けないことがあり、 自動での取得が弾かれます。ここではブラウザで国だけを「タイ」にして開き、 結果の表を1ページ目から最後まで読んで数えました。 数え直したい場合は、同じ手順で確かめられます。
検索に「都市」の条件が無いので、県で読む
機構の検索は国単位が基本で、都市名で細かく絞る作りにはなっていません。タイの結果は県(チャンワット)で並ぶので、「バンコク都」「ノンタブリー県」「サムットプラカーン県」のように、首都圏がいくつかの県にまたがっている点を頭に入れて読む必要があります。通える範囲を考えるときは、県名だけでなく実際の所在地と最寄りの駅を各校の公式サイトで確かめてください。
IBの4つのプログラムと、対象になる年齢
IBは1つの決まったカリキュラムではなく、年齢帯で分かれた4つのプログラムの総称です。学校は全部を導入することも、どれか1つだけを導入することもできます。ここが「IB校」という言葉のいちばん紛らわしいところで、同じ呼び方でも受け入れる年齢がまったく違います。
PYP(3〜12歳)
PYP(Primary Years Programme)は3歳から12歳までを対象とし、精神と身体の両方を発達させることを重視します。教科の枠をこえた6つのテーマを軸に学び、どの言語でも提供できます。日本でいえば幼稚園から小学校の年代にあたります。
MYP(原則11〜16歳)
MYP(Middle Years Programme)は原則として11歳から16歳までが対象で、それまでの学習と社会のつながりを学ばせるプログラムです。言語と文学、言語の習得、個人と社会などの8教科を、5年のプログラム期間にわたって全員が取り組みます。こちらもどの言語でも提供できます。
DP(16〜19歳)
DP(Diploma Programme)は16歳から19歳までが対象で、所定のカリキュラムを2年間履修し、最終試験を経て所定の成績を収めると、国際的に認められる大学入学資格(国際バカロレア資格)が取得できます。6つのグループから1科目ずつ選んで6科目を2年で学び、これに「コア」と呼ばれる3つの必修要件が加わります。日本語DPの対象科目などを除き、英語・フランス語・スペイン語のいずれかで実施されます。
CP(16〜19歳・キャリア教育向け)
CP(Career-related Programme)は2012年に新設された、キャリア教育・職業教育に関連したプログラムです。対象年齢はDPと同じ16歳から19歳ですが、学校が用意する職業教育に柔軟に対応できる「枠組み」を提供する形になっており、性格がかなり違います。一部の科目は英語・フランス語・スペイン語で実施されます。
先に見るのは各校の受け入れ学年。プログラムの認定は別の話
ここまでを踏まえると、学校選びで先に確かめるべきことがはっきりします。「IB認定校かどうか」だけでは足りず、「どのプログラムの認定を持っているか」まで見ないと、その学校で IB の枠組みで学べる年齢帯が分かりません。通えるかどうかは別で、各校が公表している受け入れ学年で決まります。
たとえば DP だけの認定校は、高校の2年間だけを IB の枠組みで教える学校です。小学生のお子さんを連れて赴任する家庭にとっては、その学校の小学部は IB ではないことになります——ただし小学部が無いという意味ではありません。IB 以外の課程(英国式・米国式など)で置いていることがあります。逆に PYP と MYP だけの認定なら、高校の課程が IB ではないということです——高校が無いという意味ではありません。名簿で PYP と MYP だけの British Columbia International School Bangkok は、Grade 12 まで在籍させて IB 以外の卒業資格(ブリティッシュコロンビア州の Dogwood Diploma)を出します——ただし同校の発表では MYP は verification の段階です(上の但し書きを参照)。高校で IB のディプロマを続けたい場合にだけ、移ることを考える必要が出てきます。滞在の予定が何年かによって、この判断は変わります。
日本の大学入試で、IBはどう扱われるか
国際バカロレア資格を持ち、かつ18歳に達している人には、日本の大学への入学資格が認められます(学校教育法施行規則150条)。そのうえで実際に入学するには各大学の入学者選抜を経ることになりますが、多くの大学が総合型選抜や帰国生徒特別選抜の出願資格の一つとして、国際バカロレア資格を募集要項に明記しています。選抜では、IBのスコアに加えて小論文や面接を組み合わせる例が見られます。
出願要件は大学ごとに違うので、志望校が決まっている場合は、その大学の募集要項でスコアの扱いを直接確かめてください。「IBなら有利」と一般化できるものではなく、大学と学部によって扱いが分かれます。
学費と通学は、認定とは別に確かめる
IBの認定は教育プログラムについてのもので、学費の水準や通学のしやすさとは関係がありません。同じDP認定校でも年間の授業料には大きな幅がありますし、入学金・施設費・スクールバス・外部試験料など、授業料以外にかかるものの作りも学校ごとに違います。暮らし全体でいくらかかるかはタイで暮らすといくらかかるかにまとめてあります。
候補を並べる段になったら
ここまでは「IBという制度をどう読むか」の話です。実際に学費・エリア・学年の条件で学校を並べる段になったら、事業者を選ぶための面であるタイのインターナショナルスクールを条件で探すのほうが向いています。
赴任が決まってからの段取り全体はタイ駐在が決まったらやることに、住まいや手続きを含めた移住の流れはタイに移り住むまでにやることにあります。
IBの周りで、次に迷うところ
IBかどうかが分かったら、次は制度と費用と手続きです。それぞれ別の記事にまとめてあります。
- タイで学校を選ぶ — 日本人学校・インター校・現地校の制度の違い……卒業資格が日本でどう扱われるか、海外にいるあいだの就学義務
- インター校の学費は何でできているか……出願料・入学金・預り金・授業料の分かれ方と、返るお金と返らないお金
- タイのインター校へ出願する……受付の時期、必要書類、英語力の評価とEALの空き。学年の決まり方も同じ記事にあります——生年月日の基準日が日本と違うので、先に確かめてください
- タイから日本へ戻るときの学校……編入の手続きと、高校入試の帰国生の枠
- バンコクの学習塾……月謝が1教科あたりかどうかの読み方と、認可の確かめ方
出典
- 文部科学省 IB教育推進コンソーシアム「IBの概要(教育理念と学習者像)」(2026-09-05 取得)
- 文部科学省 IB教育推進コンソーシアム「IBのプログラム(PYP)」(2026-09-05 取得)
- 文部科学省 IB教育推進コンソーシアム「IBのプログラム(MYP)」(2026-09-05 取得)
- 文部科学省 IB教育推進コンソーシアム「IBのプログラム(DP/CP)」(2026-09-05 取得)
- 文部科学省 IB教育推進コンソーシアム「IB認定校・候補校」(2026-09-05 取得)
- 文部科学省 IB教育推進コンソーシアム「IBを活用した入試」(2026-09-05 取得)
- International Baccalaureate Organization「Find an IB School」(2026-08-31 取得)
- 国際バカロレア機構「The authorization process」(IB World School になるには1つ以上のプログラムで認定が要る)(2026-09-06 取得)
- British Columbia International School Bangkok「Admissions」(同校は自校を IB の候補校と説明。名簿との食い違いの一次照合)(2026-09-06 取得)
- British Columbia International School Bangkok「BCISB Achieves Authorization as an IB PYP World School」(PYP は認定済み・MYP は verification 段階。掲載日の表示は無い)(2026-09-06 取得)
このページの内容は 2026-09-06 に確認しました。料金・制度・営業情報は変わることがあります。